KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2022.10.31

祝・快速と通勤特急の運行開始から20周年。その2。

D38581.jpg

都営5300形 5320編成
2021.12.3/ユーカリが丘〜京成臼井

▲快速京成成田行として走る都営5300形。種別としての華やかさはアクセス特急や快速特急などには及ばないが、直通各社局の車両はもとより6両編成までもがごちゃまぜになって走るところに快速の面白さがある

運行開始から20周年を迎えた快速について、その2は快速として走った車両を特集してみよう。とりわけ、他社局車と6両編成の快速を取り上げる。その1はこちら

他社局車の快速

快速は特に日中時間帯で都営浅草線直通の列車が主体となることから、京成車だけでなく他社局の車両においても見られるのが特徴となっている。2002年10月ダイヤ改正での快速新設当初から設定があったのは都営車と京急車で、都営車は2013年12月ダイヤ修正まで、京急車2010年7月ダイヤ改正まで(飛)快速としても走った。

京急車の快速は、快速が主に羽田空港発着から西馬込発着となった2010年7月ダイヤ改正で京成本線直通の列車がいったんは消滅。その後、しばらく京急車の快速が見られるのは押上線内だけの時期が続いたが、2015年12月ダイヤ修正で西馬込発着にもかかわらず京成本線直通の列車が復活したのが面白いところである。以降、消滅することなく現行ダイヤにおいても平日83H運行、土休日81H運行としてしぶとく走っている。

京急車が京成本線に直通する場合、停車駅予報装置の関係で基本的には600形(後に1000形10次車以降も追加)に限定されていたが、デジタルSR無線の対応に伴う車上情報管理装置の拡充により2018年7月から車種を限定せず何でも充当するようになった。京急車は車種が豊富で特別塗装の車両もいるので、ひとえに京急車の快速と言っても車両によってさまざま表情を見せてくれるのが楽しい。

そんな京急車の快速の中でも、レヤ貴重なのは先代1000形と1000形1800番台。先代1000形が快速として走ったのは2002年10月12日と2004年7月16日の2回だけ、1000形1800番台は今のところ2016年6月28日の1回だけとなっている。前者は車両自体が引退してしまったので仕方ないにしても、後者はまだまだチャンスがあるはず。再びトンネルのこちら側に顔を出してくれることを期待したい。

N10023.jpg

京急1500形 1731編成
2008.6.12/実 籾

▲京急1500形の快速京成佐倉行。京急車における京成本線直通の列車は当初、600形(後に1000形10次車以降も追加)に限定されていたので、何らかの理由でそれ以外の車両が充当した場合、行先表示が対応していないことが多々あった
D33498.jpg

京急1000形 1057編成
2020.2.4/大佐倉〜京成酒々井

▲しかし、そんな話も昔のこと。デジタルSR無線の対応に伴う車上情報管理装置の拡充により、2018年7月より特別塗装車を含めた多種多様な車種が何でも充当するようになっている
D22469.jpg

北総7260形 7268編成
2014.7.22/京成立石

▲快速印旛日本医大行として走る北総7260形。2010年7月ダイヤ改正で北総線下り急行の一部が押上線内を快速として走るようになり、北総車の快速が見られるようになった

北総車の快速が設定されていたことも特筆されよう。2010年7月ダイヤ改正から2015年12月ダイヤ修正まで、北総線内で急行となる下り列車の一部が押上線内で快速として走ったため、北総車の快速印旛日本医大行が見られた。

このほか北総車は、2016年にイベント臨時列車「ほくそう春まつり号」が東成田始発快速千葉ニュータウン中央行(9000形使用)として設定されたほか、2014年2月10日には前日までの大雪によるダイヤ乱れの影響で7500形が都営車の代走として京成成田まで快速で1往復走っている。北総車が京成本線を快速として走ったのは今のところこの2例だけだ。

6連快速

6両編成の設定があるのも快速ならでは。2006年10月ダイヤ改正で6連特急が、2010年7月ダイヤ改正で6連急行がそれぞれ消滅して以降、6両編成が定期的に優等列車として走るのは快速だけとなっている。普通として走る機会が圧倒的に多い6両編成にとって、快速は貴重な花形運用と言えよう。

ただし、6連快速の設定は基本的には縮小傾向。快速新設当初に平日8本、土休日2本あった6連快速は、現行ダイヤでは平日2本、土休日1本というきわめて少数派になっている。ダイヤ改正を行うたびに6連快速が減らされていく様子をうかがうと、できれば走らせたくない感じ?? 6連快速はこのまま消滅に向かうのか、それとも利用状況や車両運用の都合によっては許容されるのか、はたして。

D32096.jpg

京成3000形 3023編成
2019.5.31/町屋〜千住大橋

▲残念ながら減少傾向にある6連快速。長らく午前中に設定されていた9A30快速京成上野行も2022年2月ダイヤ改正で消滅した
D15927.jpg

京成3500形 3528編成
2012.10.4/京成立石〜青砥

▲2012年10月ダイヤ改正まで都営浅草線直通の6連快速もあった。写真は2010年7月ダイヤ改正から2年間だけ走った6両編成の快速西馬込行

(つづく)

  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成線 「快速」・「通勤特急」運行開始20周年 1 - 快速の20年

祝・快速と通勤特急、運行開始から20周年。今から20年前となる2002年10月12日に実施されたダイヤ改正は、京成史上でもまれに見る大きなものであった。通勤特急を新設してラッシュ時間帯の運行...

京成線 「快速」・「通勤特急」運行開始20周年 1 - 快速の20年
京成3600形 リバイバルカラーの快速上野行走る

9ヶ月間の沈黙を破って、ついに・・・! 4月27日、A31運行に京成3600形3688編成が充当し、9A30レ快速上野行として走った。同編成は昨年8月よりファイヤーオレンジのリバイバルカラーとして...

京成3600形 リバイバルカラーの快速上野行走る
京急新1000形「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」 京成本線を走る

京成本線に黄色いアイツがやってきた。平日81H運行と言えば、京急車が西馬込〜佐倉を往復する珍運用であることは広く知られているところであろう。そんな81H運行だが、2015年12月ダイヤ修正での...

京急新1000形「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」 京成本線を走る
京急新1000形1800番台 直通運用へ

京急新1000形1800番台、運用範囲を拡大中。3月上旬に営業運転を開始した京急新1000形1800番台だが、6月中旬よりいよいよ都営線や京成線、北総線への直通運転に入っている。営業運転開始以来...

京急新1000形1800番台 直通運用へ
北総9000形 臨時快速「ほくそう春まつり号」運転(2016年)

今年も春がやってきた。4月24日、千葉ニュータウン中央駅で北総鉄道主催の「ほくそう春まつり」が開催、これに合わせて臨時列車「ほくそう春まつり号」が運転された。2009年以来運転されている...

北総9000形 臨時快速「ほくそう春まつり号」運転(2016年)

最新記事

最新記事

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K

京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)

空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...

京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える

都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...

都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」

「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...

船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
北総車の京急線内特急運転が復活

約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」としたこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行...

北総車の京急線内特急運転が復活