2024.06.30
約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。
京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」と銘打ったこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行パターンを再編。羽田空港を発着する横浜方面の急行(旧・エアポート急行)が毎時3本に減便されたり、都営浅草線直通の快特(SH快特)が特急となって普通列車との緩急接続を重視するようになったりしたのは、当Webサイトでも過去にレポート記事としてご紹介したとおりである。
同改正では、都心方面から羽田空港を発着する列車にも大きな変化が生じた。日中時間帯に10分間隔で運転していた羽田空港発着の快特・エアポート快特のうち、北総線に直通する毎時3本の列車を特急に変更。実に約19年ぶりに北総線系統列車の京急線内特急運転が復活することとなった。既にダイヤ改正から1年以上が経過しているが、京急線内を特急として走る北総の面々は、すっかりと京急線内における日常となっている。
しかし、この変更は羽田空港アクセスに力を入れる京急にとってマイナスでしかなかったはずである。ダイヤ改正以前の都心方面〜品川〜羽田空港において10分間隔で走っていた快特・エアポート快特に対し、「どんどん来る来る」というキャッチフレーズで京急での羽田空港アクセスの利便性をさかんに宣伝していたことを覚えている方も多かろう。品川断面で羽田空港発着の列車が毎時6本であることに変化はないものの、半数が特急となって所要時間が増えることの利便性低下はやはり気になるところ。どうして北総線系統列車は特急に変更されたのだろうか。
それは、横浜方面の急行(旧・エアポート急行)が前述のとおり毎時6本から毎時3本に減便されたことが大きく影響している。同改正以前の日中時間帯の空港線は、横浜方面の急行と品川方面の快特・エアポート快特の2本立てで構成されていた。すなわち、この時間帯の空港線で各駅に停まる列車は横浜方面の急行だけだったのである。その急行が半減してしまう・・・そこで、品川方面への快特の半数を特急に格下げし、空港線内を各駅に停車する列車の本数を維持したわけである。
結果的に、特に青物横丁と平和島ではこの北総線系統の特急に加えて京急久里浜・三崎口発着の特急(H特急)も停車するようになったので、日中時間帯における乗車機会が毎時6本も増えるという大勝利を収めている。平和島での緩急接続もバッチリだ。立会川は・・・残念でした。
さて、北総線系統の京急線内特急運転の今と20年前の違いについて。もちろん20年経っているわけだから車両のラインナップなどに違いはいろいろあるが、特に京成車が参戦していることが挙げられる。今でこそ北総線内を当たり前のように走っている京成車だが、20年前にはその運用は極端に少なく、1998年〜2000年では平日朝の1往復のみ、2000年〜2010年では北総線への定期運用なしという状況だった。今回、北総線を走る京成車が多数存在する中で京急線内特急運転となったことで、京成車の特急印旛日本医大行が初めて登場した。
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