京成線 3050形と3000形の違いを探せ!
2025.10.01
京成3050形と3000形の違いを探してみよう。

京成3050形 3052編成
2025.2.23/菅野〜京成八幡
2010年7月の成田スカイアクセス線の開業に合わせて導入された3050形。もとは同線を走るアクセス特急用の車両だったが、2019年度からの3100形導入に伴い、現在は車体のカラーリングを赤と青の京成カラーに変更して京成本線を走っている。
3050形はいまやすっかりと京成本線に馴染んでいる。もとより3000形7次車として3000形の一員ということもあり、京成カラー変更後の見た目は3000形とほぼ同一。転用から数年が経過したことも相まって、違和感なく京成本線の運用に入っている。なんかもう馴染みすぎて、あたかも最初から京成カラーですが何か? と言わんばかりの顔をして走っているが、3050形のカラーリングを変更したがゆえに生じている3000形との違いを探してみよう。
前面の車両番号

京成3000形 車両番号(前面)
2020.1.2/**

京成3050形 車両番号(前面)
2025.9.29/**
まず、最初の違いは前面に標記している車両番号である。3050形と3000形ともに正面向かって右側、窓ガラスの下に編成番号の標記があるが、3000形が切り文字によるものとなっているのに対し、3050形では切り文字「ふう」のシルバーメタリック調ステッカーによる標記となっている。
これはもちろん、3050形オリジナルのデザインが影響している。3050形は車体の装飾に広い面積の外装フィルムが多用され、前面についても飛行機がデザインされたフィルムが貼り付けられた。車両番号はこのフィルムの中で標記されていた。京成カラー化で3000形と同様の番号標記を行う際に、施工がより簡単なステッカーが採用されたものと考えられる。
なお、現在京成カラーへの塗装変更が進められているN800形も、前面の車両番号については3050形と同じ方法が採られている。
側面の車両番号

京成3050形・3000形 車両番号(側面)
2025.9.29/**
側面における車両番号の標記についても仕様が異なる。3050形も3000形も側面ドア戸袋部へのプレートによる標記となっているが、異なるのはその位置。側面窓の上端に合わせて設置している3000形に対して、3050形ではそれより少し下にずらした位置への設置となっている。
3050形の車番プレートの位置が異なるのは、これもやはり3050形オリジナルのデザインが影響している。3050形登場時の装飾フィルムは側面ドア戸袋部の範囲まで貼り付けられていたが、車番プレートを3000形と同じ位置に設置した場合、装飾フィルムと干渉して収まりが悪かったため、位置を少しずらしたものと思われる。京成カラー化の際も車番プレートの位置は変わらず、3000形と3050形の違いのひとつとなっている。
車内

京成3000形 3000編成
2025.9.29/**

京成3000形 3000編成
2020.5.26/**
細かい違いが見られる車外に対し、車内は一目瞭然。乗った瞬間に、これは3050形だとわかる。床や壁の化粧板が3050形登場時のままとなっているため、全体としてオリジナルの3050形の雰囲気が残る。なお、転用当初はシートモケットやカーテンも3050形専用のものがそのまま残っていたが、現在は3000形と同じものへの交換が進められている。
LCD案内表示器
これは厳密に言えば3050形と3000形の違いではないが、ドア上のLCD案内表示器について、3000形では多くの車両が17インチの表示器を使用しているのに対し、3050形は全編成が15インチとなっている。

京成3050形 LCD案内表示器
2022.2.24/**

京成3000形 LCD案内表示器
2025.10.1/**
3050形は京成で初めてLCD式の案内表示器が搭載された車両で、15インチのものが採用された。15インチの表示器は3000形10次車3030編成まで続き、11次車3031編成より17インチとなっている。3050導入以前に製造された6次車3025編成まではLEDスクロール式だったが、2017年度よりLCD式に改造。この際、17インチの表示器が採用されたため、15インチの表示器を使用しているのは3050形と3000形3026編成〜3030編成のみの少数派となっている1)。
◆ ◆ ◆
以上、3000形と3050形の大きな違いを紹介した。細かい違いはまだまだあると思うので、気になる人はぜひとも探してみてほしい。
- 1)3000形8次車と同時期に製造された北総9200形も15インチの表示器である。
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