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2018.03.31

年度末ということで、京成グループにおける2017年度の車両の動きをまとめてみよう。

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京成3700形 3778編成
2013.1.15/船橋競馬場〜谷津

▲北総鉄道にリース、7800形7828編成となって事実上見納めになった3700形3778編成
京成電鉄

- 新造車両 - カッコ内は入線日
3036-8-3036-7-3036-6-3036-5-3036-4-3036-3-3036-2-3036-1(1/25)
3037-8-3037-7-3037-6-3037-5-3037-4-3037-3-3037-2-3037-1(2/16)
3038-8-3038-7-3038-6-3038-5-3038-4-3038-3-3038-2-3038-1(2/27)

- 廃 車 -
なし

- 貸 出 - ※北総鉄道へ
7828-7827-7826-7825-7824-7823-7822-7821
(↑3778-3777-3776-3775-3774-3773-3772-3771)

​今年度は3000形8両編成3本が新造され、2月から3月にかけてそれぞれ営業運転を開始した。一方、新造車両が24両であったのに対し、運用を離脱したのは3700形3778編成のみとなった。この数年、京成では成田スカイアクセス線開業に伴う車両の新造を除いて、車両の新造数と廃車となる車両の数が一致していたが、2017年度は結果的に16両の増で年度を終えており、例年では見られないような動きを見せている。

その3778編成も北総鉄道にリース、7800形7828編成になったことにより、北総鉄道としても8両の増となった。こちらも例年では見られない異例の展開。これらはいずれも既報のとおり列車無線設備更新に伴うものと推察されるが、2018年度以降の動きも注目されよう。

このほか、新しい動きとして車内ドア上カモイ部に設置されている案内表示器のLCD化が実施されている。対象は3700形と3000形で、3700形には19.2インチの横長タイプ、3000形には17インチのものをそれぞれ採用。作業は10月ごろより実施され、今年度は3700形では3728、3768、37683798、3818、3848、3858編成が、3000形では3001〜3003、3006〜3009編成がそれぞれLCDになった。このうち、3001編成と3700形では合わせて自動放送装置が新設され、アクセス特急充当時において3050形と同様の自動放送を行うことができるようになっている。残りの編成については来年度に実施される予定。

新京成電鉄

続いて、新京成の車両の動きも見てみよう。

X68864.jpg

新京成8000形 8518編成
2018.2.18/三咲〜滝不動

▲2017年4月にようやく登場したジェントルピンクの8000形

- 新 造 -
なし

- 廃 車 -
なし

- 更 新 -
8810-6-8810-5-8810-4-8810-3-8810-2-8810-1

新京成電鉄については、今年度も昨年度に引き続き車両の新造も廃車もなかった。他方、昨年度より8800形を対象に実施されているリニューアル工事は、今年度は8810編成が実施。リニューアルの内容は、パンタグラフの菱型からシングルアーム式への交換というメニューが新しく加わったほかは、昨年度にリニューアルを実施した8807編成と同様の内容である。

このほか、細かいところでは8816編成で行先表示器のフルカラーLED化が実施された。行先表示器のフルカラーLED化は8800形のリニューアル工事の内容にも含まれていて8807、8810編成でも実施済だが、それ単体で実施されるのは8816編成が初めてである。今後、行先表示器のフルカラーLED化はリニューアル工事に関係なく進められそうな雰囲気を見せている。

​検査のタイミングで実施されている車両の新デザイン化だが、今年度は8518、8809、8810、8812、N818編成の5本が新デザインになった。これまでなかなか実現していなかったジェントルピンクの8000形が8518編成でようやく初お目見えとなっている。また、2017年6月に出場した8512編成が、既報のとおり茶色帯のリバイバルカラーになったのは特筆すべきできごとといえよう。2014年度より実施されている塗装変更もいよいよ佳境、旧塗装で残っているのは8815編成と8514編成だけという状況になっている。2018年度早々にもリバイバルカラーになっている8512編成を除いて、全車両の新デザイン化が達成されそうな情勢だ。

※誤記につき一部修正

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