2018.07.21
京成本線に黄色いアイツがやってきた。
平日81H運行と言えば、京急車が西馬込〜佐倉を往復する珍運用であることは広く知られているところであろう。そんな81H運行だが、2015年12月ダイヤ修正での設定から約2年半、ついに黄色いアイツがやってきた。7月20日、81H運行に京急新1000形1057編成が充当し、「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」が京成本線を走った。「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」は登場から約4年が経過しているが、今回が京成本線への初入線となっている1)。
特筆すべきは、今回の1057編成の81H充当が予め計画されていたものということ。京急電鉄では「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」をはじめとした特別塗装車やラッピング電車の運行予定を公式Webサイトにて公開しているが、前日の時点で「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」の81H充当2)が発表されていた。すなわち、ダイヤ乱れにおける突発的な代走ではないということである(もちろん、この日はダイヤ乱れは発生していない)。しかし今回、どうして1057編成は代走でもないのに京成本線に入ってきたのだろうか。
京成本線と成田スカイアクセス線での運行に必要な装備として、停車駅予報装置というものがある。停車駅に接近した際に音声にて停車を促して誤通過を防止するものだが、これを装備した京急車は長らく600形と新1000形10次車以降(1121以降の編成)だけだったため、多少の例外3)はあるものの京成本線と成田スカイアクセス線に入る運用はこれらの車両が所定とされてきた。ところが昨今、京急車では無線のSR化に伴い、車上情報管理装置が無かった車両に対してもこれを追設。これにより、1500形や新1000形9次車以前の編成も停車駅予報装置を装備することとなった。そして、今月よりこれらの車両の京成本線運用とアクセス運用が解禁されたということの模様。こうして、1057編成の81H運行充当が実現したわけである。
今回は1057編成が「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」ということでたいへんな注目を浴びたが、このほかにも7月に入ってからそれまで非対応とされていた編成が京成本線や成田スカイアクセス線に入ってきており4)、今までとは明らかに配車の傾向に違いが見られている。これまでの1500形や新1000形アルミ車の京成本線運用やアクセス運用では、代走ということで行先が貼り紙になるなど数々の珍場面を提供してきたものだが、それももはや過去のことになるのだろう。時代が進んで状況はその時々で変わっていくということを実感するのである。
- 1)ただし、同編成は2017年10月23日の83H運行(アクセス運用の代走)で宗吾参道〜成田空港には入線済み。
- 2)81H運行は第66行路として掲載されている。なお、81H運行は品川出庫の運用のため、そのさらに前日より予兆が見られていた(品川入庫となる第30行路が予定された時点で81H運行への充当がほぼ確定的になっていた)。
- 3)2002年10月ダイヤ改正の土休日61H運行とか。
- 4)この日、1057編成が81H運行に充当した裏で1105編成が83H運行として成田スカイアクセス線を走っていた。このほか、7月12日の81H運行に1097編成、7月13日の71H運行に1049編成など。7月2日の71H運行に1707編成が入っているが、これは高砂で車両交換されてしまったので、1500形は(少なくとも)成田スカイアクセス線に対応していないものとみられる。
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