2023.10.18
京急1000形に新仕様の6両編成となる1500番台が登場。
2001年度より導入が続いている京急1000形。大きな仕様変更を繰り返しながら今なお導入が続いている1000形だが、このほど2023年度に導入を予定している22次車14両のうち、6両がまたまた新仕様となる1500番台として登場した。遅ればせながら実車の様子を見ることができたので、レポートしよう。
新仕様の6両編成、1500番台
9月7日に営業運転を開始した1000形1500番台1501編成。1300番台と1600番台に続く1000形6両編成の増備車という格好だが、それらとは一線を画す車両に仕上がっている。
1500番台が新仕様なのは、まずその見た目から明らかなところであろう。1890番台「Le Ciel」と同じく側面にせぎりのないフラットな表面の車体となったほか、前面は急行灯と兼用の尾灯が採用されて表情が変わった。車両番号もハイフンを用いた5桁ものとなり、浦賀方より1501-1、1501-2、・・・と数えて品川方が1501-6となる。
車体だけでなく、床下の機器類も従来の6両編成から一新されている。編成は浦賀方よりMc-Tp-M-M-Tp-Mcという構成。制御装置は1890番台と同型となる東洋電機製ハイブリッドSiC-VVVFインバーター(1C4M方式)を採用して1号車と3号車、4号車、6号車にそれぞれ搭載、それらがそのまま電動車となる。
パンタグラフは2号車と5号車に2基ずつ。付随車にパンタグラフが載るのは、京急ではもはや通常運転となっている。補助電源装置は5号車に1台、大容量のものを搭載。コンプレッサーは2号車と5号車に1台ずつ搭載している。
ブレーキについても1890番台と同様の編成ネットワーク制御が採用されている模様で、1890番台と同じようなブレーキの緩解音が聞こえる。
車内はロングシートであるものの、一部に1890番台の要素が取り入れられている箇所があるのが特筆される。その最たるものは、やはり先頭車両における展望座席であろう。1890番台で見られた幅100mmの小窓も合わせて設置されている。車端部のクロスシートは「Le Ciel」と似たような形状となり、背もたれが大型化。座席は固定されていて回転しない。なお、この変更により従来の車端部クロスシートに併設されていた補助席はなくなった。
以上、1000形1500番台の特徴を簡単にまとめてみた。これだけ仕様が変わったとしてもあくまでも1000形の増備車ということでしれっとしたデビューとなったのは、1500番台にとってはなんとも悲しいところである。消費電力は従来の6両編成よりも低減されているはずだし、展望座席などアピールできるところはあったはずなので、1500番台の存在を大々的に告知してもよかったように思う。
今後の予定
1501編成の導入によって1500形1561編成が廃車となっており、今後も1000形1500番台による1500形6両編成の置換えが続いてくものと予想される。1500形6両編成は弾数が多いので、1000形1500番台も最終的にはそれなりに増えそうな感じ。
なお、京急は2023年1月に行った国土交通省への鉄道旅客運賃改定の申請の中で、2025年度と2026年度にそれぞれ20両ずつ車両を代替することを明らかにしている。今年度に導入を予定している新車の残りは8両編成の1700番台となる見込みとなっており、また2024年度は新車の導入予定がないので、1502編成が登場するのは少なくとも2025年度以降となる。
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