2010.09.25
当Webサイト始まって以来、初の海外篇。今月の中旬に所用と旅行を兼ねて中央ヨーロッパを訪れたので、現地で体験した中央ヨーロッパの交通事情を簡単にご紹介しよう。
まず最初はハンガリーの首都ブダペストである。ブダペストは所用で訪れたので、公共交通を乗り回すようなことはあまりできなかったのだが、街の中を縦横無尽に闊歩する市電は、私にヨーロッパの都市に来たことを実感させるのに十分であった。
市電は多数の系統が運行されているが、その中でも花形となっているのがモスクワ広場を起点として市内中心部の大環状通りを走る4系統・6系統である。6連接の超低床車が頻繁に行き交う様を見れば、それが基幹系統であることは一目瞭然。ブダペスト市電では主に国産のガンツ製やチェコのシュコダ製の車両を主に使用しているが、この4系統・6系統はドイツSIEMENS製の新型車両が積極的に投入されており、この点からもこの系統の重要性が窺える。ちなみにSIEMENSの車両というのは広島でも見ることができるコンビーノだが、6連接のコンビーノは他に例がなく、ここブダペストのものが唯一かつ世界最長だそうだ。
◆ ◆ ◆
4系統・6系統はコンビーノばかりがやってくるので、そろそろ撮影に飽きて撤収しようと思っていた頃合、何やら古そうな車両がやってきたではないかッ!
コンビーノを導入する前の4系統・6系統はこのように3連接車を2本つなげた編成が使用されており、それの生き残りである。てっきり新型車両への置換えが完了しているものだとばかり思っていたので、これにはちと興奮。3連接車×2の編成はこれ1台しか見かけなかったので、おそらくはコンビーノへの置換え末期なのだろう。大量に走るE233系の中、1編成だけ残っている中央線の201系を思い出してしまった。
◆ ◆ ◆
ブダペストはこの他にもアンドラーシ通りを含めて世界遺産となっている地下鉄1号線や、世界一美しいマクドナルドがあるとされる綺羅びやかなブダペスト西駅など見所はたくさんあるが、所用で訪れたということもあってやや消化不良気味でブダペストを後にしてしまった。
関連記事
中央ヨーロッパ交通見聞録 6 - チェコ地方都市の路線バス
České Budějovice(チェスケー・ブジェヨヴィツェ)からチェコのある田舎町まで、今度はバスで移動する。バスに乗るまでの少しの時間に、バスターミナルにやってくるバスを観察してみた...
中央ヨーロッパ交通見聞録 5 - 中距離普通列車に乗る
次なる目的地に移動するため、まずはチェコ南部の都市チェスケー・ブジェヨヴィツェ(České Budějovice)に向かう。ウィーンとチェスケー・ブジェヨヴィツェを直通する列車はないので...
中央ヨーロッパ交通見聞録 4 - ウィーン地下鉄
前回に続き、ウィーンの公共交通について見てみよう。今回は地下鉄を取り上げる。ウィーンの地下鉄はドイツ語圏のためメトロでもなくサブウェイでもなくU-Bahn(ウー・バーン)と呼ばれる。2010年...
中央ヨーロッパ交通見聞録 3 - ウィーンの路面電車・バス
ウィーンでは観光に路面電車、地下鉄、バスをガッツリと使ったので、それぞれ気がついたことを書いてみよう。オーストリアの首都であるウィーンも、ブダペストと同様に市中を路面電車が縦横無尽に走りまわる...
中央ヨーロッパ交通見聞録 2 - オーストリア連邦鉄道 特急「Railjet」
ブダペストを後にした私は、国際特急列車でオーストリアの首都ウィーンに向かったのであった。ヨーロッパ主要都市間の移動は鉄道が便利だ。「TGV」や「ICE」をはじめとした高速鉄道が多く整備されている...
最新記事
京成電鉄 モーニングライナー・イブニングライナーの特急料金を改定
京成線、モーニングライナーとイブニングライナーを実質値上げ。11月23日、京成電鉄では京成本線で運行している座席指定制の特急列車モーニングライナーとイブニングライナーの特急料金の改定を実施した...
四直珍列車研究 136 - 平日 720T
唯一、かつ初めての羽田空港行。京成線や北総線、都営浅草線では、23日にダイヤ修正が実施される。ダイヤ修正前日の記事として、今回も消えてしまう珍列車を取り上げてみよう。平日720Tレ特急羽田空港行...
京成線 2024年11月23日ダイヤ修正
京成電鉄では、11月23日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、プレスリリースや15日発売の京成時刻表Vol.33などで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。本稿では...
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...