2017.11.01
京急本線において日中時間帯に品川~京急蒲田間を走る通称"蒲田ローカル"。運行開始から5年を記念して、蒲田ローカルがどういった運行をしているのかを見てみよう(今さら)。
蒲田ローカルは日中時間帯に品川~京急蒲田間を走る普通車である。2012年10月ダイヤ改正で新しく登場した運行系統で、20分間隔、すなわち1時間あたり3本が走るように設定されている。同時間帯においては浦賀発着の普通車が毎時6本走っているので、5分・5分・10分という不均等な間隔になるものの、品川~京急蒲田間では普通車が合わせて毎時9本走る格好になっている。
京急蒲田までしか行かない普通車・・・なぜこのような中途半端な運行系統が登場したのかというと、直接的な原因は同じく2012年10月ダイヤ改正にて北総線方面から羽田空港に発着するエアポート急行が快特に格上げされたため。これにより、エアポート急行停車駅である青物横丁と立会川、平和島に停車する列車の本数が毎時3本分だけ減ってしまった。これを救済するために登場したのが蒲田ローカルであり、その目的は青物横丁と立会川、平和島の停車本数を毎時9本に維持するため、というわけだった。
車両は折返し方法の制約(後述)から、全て4両編成が使用されている。運行番号はかつて"空港ローカル"が使用していた70番台が割り当てられ、4本の編成を使用していることから71から77まで4つの運行が設定されている。4両編成ということで、朝のラッシュ時に上り増結車として使用した編成を活用する格好になっており、特に土休日ダイヤでは2016年11月ダイヤ改正から金沢文庫で快特泉岳寺行の後に増結した車両(快特京急川崎行として運転)を京急川崎で切り離した後、それを京急蒲田まで回送してそのまま蒲田ローカルとして走らせるといった、京急らしいアクロバティックな運用が組まれている。
品川〜京急蒲田という短い運転区間ながら、鮫洲と平和島の2ヶ所で快特の待避を行っている。ここらへんは京急の優等列車が主体のダイヤの中では仕方のないところだろうか。もっともこれは浦賀発着の普通車も同様なので、待避が多いのはこの区間を走る普通車の宿命と言えよう。
さて、品川~京急蒲田間を走る蒲田ローカルだが、ご存知のとおり京急蒲田は2層高架式の要塞駅なので、品川方面から京急蒲田に到着した列車は同駅で折返すことができない。京急蒲田から種別を回送に変え、多摩川を越えた先の京急川崎まで走って折返しを行っている。その折返し方法がこれまた京急らしい、他では見られないやり方なのだが・・・ここからはそのへんの様子をご紹介しよう。→その2
(つづく)
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