KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2017.11.01

京急本線において日中時間帯に品川~京急蒲田間を走る通称"蒲田ローカル"。運行開始から5年を記念して、蒲田ローカルがどういった運行をしているのかを見てみよう(今さら)。

D16515.jpg

京急2000形 2451編成
2012.11.21/大森海岸

▲2012年10月ダイヤ改正で登場した品川〜京急蒲田間の普通車、通称"蒲田ローカル"。4両編成が使用され、昨年の秋に引退した京急2000形(4両編成)もよく充当していた

蒲田ローカルは日中時間帯に品川~京急蒲田間を走る普通車である。2012年10月ダイヤ改正で新しく登場した運行系統で、20分間隔、すなわち1時間あたり3本が走るように設定されている。同時間帯においては浦賀発着の普通車が毎時6本走っているので、5分・5分・10分という不均等な間隔になるものの、品川~京急蒲田間では普通車が合わせて毎時9本走る格好になっている。

京急蒲田までしか行かない普通車・・・なぜこのような中途半端な運行系統が登場したのかというと、直接的な原因は同じく2012年10月ダイヤ改正にて北総線方面から羽田空港に発着するエアポート急行が快特に格上げされたため。これにより、エアポート急行停車駅である青物横丁と立会川、平和島に停車する列車の本数が毎時3本分だけ減ってしまった。これを救済するために登場したのが蒲田ローカルであり、その目的は青物横丁と立会川、平和島の停車本数を毎時9本に維持するため、というわけだった。

D22972.jpg

京急1500形 1517編成
2014.10.24/平和島

▲平和島の副本線に進入する蒲田ローカル。品川〜京急蒲田という短い区間ながら、鮫洲と平和島で待避を行うのは優等列車主体のダイヤの中では仕方のないところか。珍しく1500形の鋼製車が蒲田ローカルとして走るシーン

車両は折返し方法の制約(後述)から、全て4両編成が使用されている。運行番号はかつて"空港ローカル"が使用していた70番台が割り当てられ、4本の編成を使用していることから71から77まで4つの運行が設定されている。4両編成ということで、朝のラッシュ時に上り増結車として使用した編成を活用する格好になっており、特に土休日ダイヤでは2016年11月ダイヤ改正から金沢文庫で快特泉岳寺行の後に増結した車両(快特京急川崎行として運転)を京急川崎で切り離した後、それを京急蒲田まで回送してそのまま蒲田ローカルとして走らせるといった、京急らしいアクロバティックな運用が組まれている。

品川〜京急蒲田という短い運転区間ながら、鮫洲と平和島の2ヶ所で快特の待避を行っている。ここらへんは京急の優等列車が主体のダイヤの中では仕方のないところだろうか。もっともこれは浦賀発着の普通車も同様なので、待避が多いのはこの区間を走る普通車の宿命と言えよう。

D28496.jpg

京急1500形 1525編成
2017.6.18/京急蒲田

▲既に回送表示となって京急蒲田に到着。京急蒲田では本線側に進入し、切り欠きホームの2番線に滑り込むのも蒲田ローカルの特徴のひとつ

さて、品川~京急蒲田間を走る蒲田ローカルだが、ご存知のとおり京急蒲田は2層高架式の要塞駅なので、品川方面から京急蒲田に到着した列車は同駅で折返すことができない。京急蒲田から種別を回送に変え、多摩川を越えた先の京急川崎まで走って折返しを行っている。その折返し方法がこれまた京急らしい、他では見られないやり方なのだが・・・ここからはそのへんの様子をご紹介しよう。→その2

(つづく)

関連記事

京急線 品川〜京急蒲田間の普通列車"蒲田ローカル"を見る その2

京急本線において日中時間帯に品川~京急蒲田間を走る通称"蒲田ローカル"。運行開始から5年を記念して、蒲田ローカルがどういった運行をしているのかを見てみよう(今さら)。さて、品川~京急蒲田間を走る...

京急線 品川〜京急蒲田間の普通列車
京成線 都営5300形の快速高砂行を追い抜く都営5300形の快速高砂行

あ・・・ありのまま 今 起ったことを話すぜ! 「1番線に都営5300形の快速高砂行が停車していると思ったら、2番線から都営5300形の快速高砂行が追い抜いていった」 な・・・ 何を言ってるのか...

京成線 都営5300形の快速高砂行を追い抜く都営5300形の快速高砂行
芝山鉄道3500形 京成金町線を走る

京成金町線を走る3500形。一見すると何ら変哲のないごく普通の日常のように映るけれども、よく見たら番号が3540だし、車体の側面には緑色のプレートと成田空港の広告がチラチラ見えとるし...

芝山鉄道3500形 京成金町線を走る
京成3600形3668編成 金町線を走る

金町線に還ってきた、我らがアイドル京成3600形3668編成。2016年度末に中間車両の3608-3601が廃車され、4両編成になった3668編成。4両編成になったということで金町線の運用にも...

京成3600形3668編成 金町線を走る
京成押上線 八広駅のパタパタ発車標

2016年現在、京成線で唯一使われている八広駅の反転フラップ式発車標。2001年9月の3番線ホーム使用開始に合わせて設置されたものだが、パタパタと小気味良い音を立てながら表示がめまぐるしく...

京成押上線 八広駅のパタパタ発車標

最新記事

2025.03.31

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

歴史の証人。まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを...

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

2025.03.28

京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

2025.03.24

京成3200形 営業運転開始

まさに「令和の赤電」。2月22日、京成電鉄の新型車両3200形デビューした。2024年度導入分の6両が、3204+06-05という編成を組んで6両編成として運用に入っている。遅ればせながら...

京成3200形 営業運転開始

2025.03.17

さようなら JR東日本E217系

さようなら、E217系。3月15日、JR各社を始めとした3月の全国的なダイヤ改正が実施された。列車や車両が新しく生まれ、または消えていく。そんな季節が今年もやってきた。JR東日本の横須賀・総武...

さようなら JR東日本E217系

2025.03.12

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化

京急600形と2100形、側面の行先表示器がLEDになる。京急600形と2100形で、側面の行先表示器のLED化が進んでいる。2024年10月下旬にLEDとなった602編成と607編成、2157...

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化