2016.07.05
2016年7月現在、京成線で唯一使われている八広駅の反転フラップ式発車標。2001年9月の3番線ホーム使用開始に合わせて設置されたものだが、パタパタと小気味良い音を立てながら表示がめまぐるしく変わっていく様子は見ていて楽しいもの。・・・って、おやおや、よ〜く見るとずいぶん変な表示がチラチラと見え隠れしてるじゃありませんか〜、ってことで今更ながら八広駅のパタパタの中身を見てみよう。
行先
まずは行先をば。以下に行先のフラップのイメージを掲載する。無表示を含めて全60コマ、長いぞォ〜〜。
とにかくいろいろな行先が入っている。千住大橋や市川真間などは渡り線があるのでまあまだギリギリ分かるとして、船橋競馬場やユーカリが丘みたいな思わず草が生えてしまうwwwwwwwwwwwwような行先も収録されているのが特徴。とにかく内容を詰め込めるだけ詰め込んだといった感じで、渡り線があるなどして実際に折返し運転が可能の駅だけでなく、出発信号機のある駅(連動駅)も用意されている。直通先である都営浅草線や京急線内の行先も充実しており、計画だけで実際には開業していない油壺が仮称の駅名として入っているのも興味深い。
行先は概ね京成線から始まり、都営浅草線、京急線、北総線の順にまとめられているが、当駅止まり、通過の後に唐突に入っている新橋や上大岡などは2001年の設置時にはなくて後から追加されたものだろうか。成田湯川は2010年の成田スカイアクセス線開業に合わせて追加されたものである。一方、これだけの行先が揃っていながら矢切が入っていないのは悲しすぎる。また、芝山千代田と芝山千代田(東成田方面)とで芝山千代田がどういうわけかダブってしまっているが、前述の油壺があることを踏まえると、前者は開業予定の駅としてとりあえず用意した芝山千代田、後者は2002年に実際に使うために追加した芝山千代田とみられる1)。・・・困ったことに八広に停車する芝山千代田行の定期列車が運転されたことがないので確認のしようがないのだが。
さらに、八広の発車標でありながら八広があるのもツッコみたくなるが、それを言ったら八広から直通運転のしようがない上野線の駅も入ってるのもおかしいし、要はこの発車標が八広以外に設置されたとしても使うことのできる汎用的な内容になっているということなのであろう。
種別
続いて種別を見てみよう。
こちらもこちらで京成線で見られる種別が大集合といった感じ。この発車標が設置された2001年当時の京成では押上でしか見られなかった快特と(飛)快特も用意されている2)が、これもやはり仮に押上にこれと同じ発車標が設置されたとしても対応できるようにしたものであろう。後ろのほうの快速と(飛)快速は、2002年10月ダイヤ改正における種別新設時に追加されたものとみられるが、だとしても同じく2002年10月ダイヤ改正で新設された通勤特急3)が特急の次に収まってるのはようわからん。
普通列車しか停まらない八広に対して、この種別のラインナップはいくらなんでも豪華すぎるだろうといった感じだが、2010年7月ダイヤ改正までは通過列車に対しても種別を表示していたので、普通以外にも特急や快速など押上線を走る優等種別の表示も実際に見ることができた(行先は通過表示)。2010年7月ダイヤ改正から通過列車は種別無表示としたため、行先側に成田湯川が追加されたのに対し、同改正で登場したアクセス特急と(飛)アクセス特急の表示は追加されていない。通勤特急もオレンジのままだし、快特は快特のまま4)である。
この発車標が設置された2001年当時、京成では既にLED式のものが主流だったところに突如出現した反転フラップ式発車標には驚いたものであった。周囲が比較的開けた高架駅のホームにあって、西日対策なんじゃないかというのがもっぱらの噂だが、下の段の案内啓発文が流れるところはLEDだしコンコースに設置されているのもパタパタだし・・・というわけで真相は荒川の濁流の中。そんな八広駅の反転フラップ式発車標は今日もパタパタと色々な行先を出し続けている。
(注)残念ながら7月末にLEDタイプのものに更新、八広のパタパタは消滅してしまったようです。
- 1)芝山千代田は(仮称)整備場前であったが、駅名が決定したのが2001年4月末のことなので(仮称)整備場前を芝山千代田として収録することができたとみられる。芝山千代田の駅名決定がもうちょっと遅かったら仮称の整備場前が行先として入っていた可能性があったかも??
- 2)2006年10月ダイヤ改正で京成線にも快特が登場し、快特の表示が使われるようになった。
- 3)厳密には復活である。
- 4)2010年7月ダイヤ改正より快特は快速特急となっている。
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