KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

オランダ 少しだけアムステルダム 2 - アムステルダム市電

2017.08.11

ってことで、アムステルダム駆け足訪問記の第2回。アムステルダム市電を少しだけ。

X60948.jpg

アムステルダム市電
2016.2.14/**

▲アムステルダムの市街を走るアムステルダム市電。左の車両はベルギーのBN製、右の車両は広島でもおなじみシーメンスのコンビーノ

アムステルダムも路面電車の走る街である。路線網は特にアムステルダム中央駅を中心とした旧市街を中心に展開しており、2017年現在における系統数は141)、ヨーロッパでも有数のトラムネットワークを形成している。リスボンで見てきた路面電車がそうだったように、一般的にはモータリゼーションの発展とともに路面電車はバスその他に置換えられて縮小する傾向にあるが、アムステルダムでは旧市街の狭隘な道路のおかげでバスを満足に走らせられなかったとのことで、現在でも路面電車が元気にまちなかを走っている。世界遺産にもなっている運河のほとりを走る市電はアムステルダムの風景のひとつである。

運行は公共事業体であるアムステルダム交通局が担っている。アムステルダム交通局は路面電車のほかに地下鉄とバスも運行しており、アムステルダム市内の交通輸送を一手に引き受けている。

アムステルダム市電で現行で使われている車両は3種類のよう。ベルギーのBN製の部分低床車両が2種類と、シーメンス製の低床車両である。シーメンス製の低床車両は広島電鉄でもおなじみのコンビーノで、長さも広電のものと同じような5連節タイプを導入している。アムステルダムには全部で155編成ものコンビーノが走っており、アムステルダム交通局が世界最大のコンビーノホルダー。アムステルダム交通局が路面電車用として保有する車両の概ね3/4がコンビーノという状態になっている。そんなもんだから、ほんともう市内そこらじゅうコンビーノだらけという感じ。

X60892.jpg

アムステルダム市電 行先表示
2016.2.14/**

▲アムステルダム市電の行先表示。系統番号や行先のほかに、ルートカラーと呼ばれる四角い模様のようなものを表示しているのが特徴

各系統には他の都市の路面電車と同じように番号が振られている。系統番号は車両の行先表示にて表示を行っているが、ここにほかの都市の路面電車では見られない特徴がアムステルダム市電にはある。番号の横に表示されている四角い模様のようなもの、、、これは一体なんだろうか。

馬車軌道からスタートしたというアムステルダム市電は、その当時、複数の路線を走らせるにあたり、路線ごとに異なる模様の旗を掲出していたらしい。当時はいまよりも識字率が低く、馬車の行先を識別するのには系統番号や行先表示よりも模様を描いた旗の方が都合がよかったようだ。時代は進み、行先表示がLEDになってもその当時の慣習を受け継いでいるのは、まさに粋というほかあるまい。

X60901.jpg

アムステルダム市電
2016.2.14/**

▲アムステルダム中央駅前電停(東側のりば)の様子。各方面に向かう系統が発車を待っている。背後の渋い建築がアムステルダム中央駅
Z09292.jpg

アムステルダム市電 アムステルダム中央駅周辺の配線図

▲市電のアムステルダム中央駅付近の配線図を描いてみたなど

市電のアムステルダム中央駅前電停は、前回の記事でご紹介した中央駅の駅舎の前の広場に設けられている。中央駅に乗入れる系統は8つあるため、電停も全部で8線という規模。アムステルダム中央駅は市電にとっても一大ターミナルなのだ。アムステルダム市電は基本的にはドアが片側にしかない車両を使用しているため、終端の電停は必ずループ線を形成する2)。アムステルダム中央駅前電停は各方面からやってきた線路が合流しつつ、ループ線を2つも形成する実に賑やかな配線になっている。気になったので帰国してからグーグルマップの航空写真を基に配線図を描いてみたが、、、なるほどこれはよくわからん!

  • 1)2018年7月の地下鉄南北線開業に伴い再編が予定されている。
  • 2)5系統のみ、一部区間で地下鉄と線路を共用する関係から両側にドアのある車両を使用している。同系統の終端となるBinnenhof電停はシーサスクロッシングを使用した折返し形態になっている。

関連記事

2017.09.09

オランダ 少しだけアムステルダム 3 - ライツェ通りのトランジットモール

アムステルダム駆け足訪問記の第3回。アムステルダム中央駅から市内を散策し、ライツェ通りという通りに行き着いた。この通りはトランジットモールになっており、その様子を少しばかり観察してみた...

オランダ 少しだけアムステルダム 3 - ライツェ通りのトランジットモール

2017.07.17

オランダ 少しだけアムステルダム 1 - アムステルダム中央駅

さて、ポルトガル旅行の様子をだらだらと書き綴ってきたが、これには少しばかりの続きがござる。リスボンへの飛行機がオランダのアムステルダムで乗換えだったので、ついでにアムステルダムにも行ってきました...

オランダ 少しだけアムステルダム 1 - アムステルダム中央駅

2017.05.30

ポルトガル周遊の記 番外編 - リスボン市電のすごい配線

狭い街区の中をちょこまかと走るリスボン市電はその配線もすごい! ってことで、Twitterに掲載したらなかなか好評だったので、こちらにも改めて掲載したく思う。ちょっとだけ強引に敷かれたリスボン...

ポルトガル周遊の記 番外編 - リスボン市電のすごい配線

2017.05.02

ポルトガル周遊の記 17 - リスボン市電28系統、狭隘路を走る

ポルトガルの首都、リスボンを走るリスボン市電。最後に、28系統の狭隘区間を見に行ってみた。リスボンを東西に走る28系統はところどころに狭い路地を走る区間が存在している。特に狭いのがアルファマ地区...

ポルトガル周遊の記 17 - リスボン市電28系統、狭隘路を走る

2017.04.09

ポルトガル周遊の記 16 - リスボン市電あれこれ(路線篇)

前回の記事につづいてリスボン市電をば。今回は路線についてご紹介しよう。​2017年現在、リスボンで運行されている路面電車は12、15、18、25、28の5系統。系統番号の数字が飛び飛びになって...

ポルトガル周遊の記 16 - リスボン市電あれこれ(路線篇)

最新記事

2026.07.11

京成3000形・8800形 「京成ドリームトレイン」運転(2026年)

子どもたちの夢を乗せて走る電車。京成電鉄では、2月28日より「京成ドリームトレイン」の運行を実施している。「京成ドリームトレイン」は、小学生以下の子どもたちが描いた「自分の夢・将来の夢」を車内や...

京成3000形・8800形 「京成ドリームトレイン」運転(2026年)

2026.07.06

京成3200形 4両編成の運用開始

京成3200形に新たな動きが発生。2025年2月にデビューした新型車両・3200形に新たな動きが生じている。2025年度までに18両が導入された3200形は、これまで4+2または2+4組成の6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3200形 4両編成の運用開始

2026.07.01

京急1500形 1700番台の廃車始まる

京急1500形、1700番台8両編成の廃車始まる。1000形の導入により、徐々に数を減らしている1500形。2023年度には界磁チョッパ車の置き換えが完了、アルミ車に初めての廃車が発生したところ...

  • 京成
  • タグはありません
京急1500形 1700番台の廃車始まる

2026.06.25

京成線 さようなら、鬼越第5号踏切道

さようなら、鬼越第5号踏切道。京成本線鬼越第5号踏切道(鬼越5号踏切)。鉄道趣味で京成を対象としていて、この名称を聞いてピンとこない人はモグリである。この踏切は、京成線に残る最後の第4種踏切道で...

京成線 さようなら、鬼越第5号踏切道

2026.06.20

岡山電気軌道7000形 7001号「たま電車」

晴れの国・岡山で「たま」に出会う。6月上旬のある日、岡山を訪れた。岡山といえば、昔話「桃太郎」のモデルとなった「温羅(うら)退治」の伝説が残る地方として知られているが、岡山の地で出会ったのは...

岡山電気軌道7000形 7001号「たま電車」