JR東日本209系1000番台 中央快速線を走る
2019.04.16
ほんと、世の中なにが起きるか分からんで。
JR東日本209系 八トタ82編成
2019.4.7/三 鷹
春は出会いの季節でもあり、別れの季節でもある。鉄道趣味の世界においては、JRグループとその直通各社で実施される春のダイヤ改正がそれに相当しよう。名門の特急列車が廃止されたり、はたまた長年の悲願であった新線が開通したりといったことは、春のダイヤ改正に合わせて行われることが多い。そんな中、今年の春のダイヤ改正で通勤電車界隈で大きなトピックといえば、これをおいてほかにないだろう。新製以来常磐線各駅停車として運用されてきた209系1000番台が松戸車両センターから豊田車両センターに転属し、ダイヤ改正から中央快速線を走るようになった。
それまで千代田線に直通していた209系1000番台が、オレンジ色の帯を巻いて中央快速線を走る。字面だけだと中学生くらいのオタクが考えそうな安易な妄想にしか見えないのだが、これが現実に起こってしまっているのだから訳がわからないのである。なぜ、209系1000番台が中央快速線を走るようになったのだろうか。
今回の209系1000番台の転属劇は、中央快速線を走るE233系を取り巻く車両事情が絡んでいる。JR東日本では、2015年2月に中央線および青梅線へのグリーン車導入を発表1)し、世間を驚かせたところである。その後、2018年4月にグリーン車投入計画の延期が発表されるものの、この時に新たに明らかになったのがE233系に対するトイレの設置2)。このトイレ設置工事3)によりE233系が一時的に不足することから、209系1000番台はその穴埋めということのよう。折しも、209系1000番台は常磐線各駅停車において小田急線に直通できないことや将来のホームドア対応などから運用上の足かせになっており、これらのことから白羽の矢が立ったということなのだろう。
さて、豊田車両センターに転属した209系1000番台であるが、E233系と取扱いが大きく異なることから、限定運用が組まれている。ネット上の情報によれば、所定となる運用は次のようである。
- 97T(平日)
豊田601○→東京710-15→高尾827-32→東京950-54→立川1045-53→東京1141/45→豊田1245△ - 99T(平日)
豊田553○→東京654/59→高尾813/19→東京940/44→武蔵小金井1027/34→東京1113/15→豊田1220△ - 97T(土休日)
豊田1400○→東京1459/1503→豊田1603△
もちろん、ダイヤが乱れ際にはこの限りではない。4月1日にはダイヤ乱れの影響で所定の運用を外れて中央特快として走ったほか、11日には同じくダイヤ乱れの影響で通勤快速と各駅停車が走っている。ただし、乗務員室内に「東京〜高尾・宮ノ平4)限定運用車」と書かれた貼り紙があるとのことなので、所定外の運用に入ったとしても例えば大月まで入線する・・・といった可能性は限りなく低いものとみられる5)。
ステンレス車体にオレンジ帯ということで、E233系に紛れるように何食わぬ顔をして走っている209系1000番台だが、ドアの上のLCD案内表示器や自動放送がないことから早くもボロが出てしまっている様子。Twitterで「中央線 古い」などと検索すると、鉄道に興味のない一般の利用者も209系1000番台の存在にうすうす気づいている様子をうかがうことができる。中央快速線に突如として登場した古い新車は、はたしていつまで走るのだろうか。
- 1)中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について(pdf) - JR東日本の2015年2月4日付プレスリリース
- 2)中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について(pdf) - JR東日本の2018年4月3日付プレスリリース
- 3)トイレ設置工事は1編成あたり80日ほどかかる模様である。
- 4)青梅じゃなくて宮ノ平なのは、青梅構内の配線の都合で宮ノ平まで回送で往復する通称"宮ノ平回送"があるため。
- 5)ただし、試運転では大月まで入線しているほか、行先表示にも大月行のデータが入っている。
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