2020.03.31
年度末ということで、京成グループにおける2019年度の車両の動きをまとめてみよう。
京成電鉄
- 新 造 - カッコ内は入線日
3151-8-3151-7-3151-6-3151-5-3151-4-3151-3-3151-2-3151-1(9/26、27、30)
3152-8-3152-7-3152-6-3152-5-3152-4-3152-3-3152-2-3152-1(7/24〜26)
AE9-8-AE9-7-AE9-6-AE9-5-AE9-4-AE9-3-AE9-2-AE9-1(9/5)
- 廃 車 - カッコ内は最終運行日
3638-3627-3626-3633-3632-3631(10/30)
-3637-3636-(7/5)
2019年度、京成電鉄は3100形8両編成2本(3151編成・3152編成)とAE形8両編成1本(AE9編成)を新造した。今年度における車両の動きの目玉は、何と言っても3100形。新型の通勤型車両が登場するのは2002年度の3000形以来、実に17年ぶりのこと。今年度導入の2本は成田スカイアクセス線仕様とされており、3150番台を名乗っている。2編成とも10月26日ダイヤ改正でデビューした。
AE9編成は10月ダイヤ改正におけるスカイライナーの輸送力増強用としての増備で、8両編成1本が純増となっている。AE形が新造されるのは10年ぶりのことで、2010年に成田スカイアクセス線が開業してからは初めて。AE9編成の登場により、スカイライナーの終日20分間隔での運転や運行時間の拡大が実現した。
一方、廃車となったのは3600形3638編成で、3600形の淘汰がまた一歩進むことになった。3100形の導入により3050形3051編成が成田スカイアクセス線から京成本線に転用されたためで、玉突きのような格好になっている。3600形は残すところ8両編成2本(界磁チョッパ制御)+4両編成1本(VVVFインバーター制御)となるが、既に投資家向けの資料1)や関係者の話2)から来年度も3100形8両編成2本の車両新造がほぼ明らかになっているところであり、3600形の8両編成は来年度中にも全廃となる可能性が濃厚になっている。
以上のように、車両は全体として16両の増で今年度を終えている。AE形の8両分は輸送力増強用だからいいとして、一般型車両も8両分が純増になった。これは、3100形を2編成導入したにもかかわらず、3050形を1本しか京成本線に転用しなかったため。これにより、成田スカイアクセス線仕様の一般車両は1本増の7編成体制(運用6本+予備1本)となり、3050形の検査時等に必ず発生していた京成本線カラーの車両のアクセス運用代走が解消されることになった。
新京成電鉄
続いて、新京成の車両の動きも見てみよう。
- 新 造 -
80016-80015-80014-80013-80012-80011
- 廃 車 -
8518-8026-8035-8034-8033-8517
- 更 新 -
8802-6-8802-5-8802-4-8802-3-8802-2-8802-1
京成3100形の登場に合わせて、新京成でもN800形以来14年ぶりの新型車両となる80000形を導入した。今年度は6両編成1本(80016編成)が新造され、12月末より営業運転に入っている。
80016編成の導入により、8000形8518編成が廃車になった。8518編成は8000形で唯一ジェントルピンクの新デザインになっていた編成で、同編成の廃車によりジェントルピンク塗装の8000形は見納めになった。8000形はリバイバルカラーになっている8512編成が残るのみ。新京成が2019年に策定した中期経営計画3)によれば、次の80000形、すなわち80026編成の導入は2021年度中を予定しているとのことなので、この時点で8512編成の廃車が見込まれる。くぬぎ山のタヌキとして親しまれてきた8000形も、いよいよ終わりが見えてきた。
2016年度より8800形を対象に実施されているリニューアル工事は、今年度は8802編成が実施。リニューアル編成として4本目、SiC-VVVFインバーター化編成として5本目の出場4)になっている。今後も毎年1編成のペースでVVVFインバーターの更新が実施される予定。8800形の更新は9編成を予定しているので、こちらはまもなく折り返し地点といったところ。
4/2、4/8訂正・加筆
- 1)有価証券報告書 - 第176期(平成30年4月1日〜平成31年3月31日)
- 2)3100形の報道公開における関係者の話で、3100形は少なくとも7編成が製造されることが明らかにされている。上記の有価証券報告書によると2020年度の車両新造は16両とのことだから、2020年度に導入されるのは3100形8両編成2本ということがほぼ確定する。
- 3)中期経営計画「S4計画」(2019年度〜2021年度)
- 4)2015年度に工事を実施した8803編成が車内リニューアル未施工のため、SiC-VVVFインバーター化編成とリニューアル編成とで数が合わない。
- 京成
- タグはありません
関連記事
新京成8000形8518編成 営業運転終了
新京成8000形8518編成が運用終了。8000形は残り1編成に。新京成8000形8518編成が営業運転を終了した。新京成電鉄の公式Twitterによれば、最終運行となったのは14日の朝で...
新京成80000形 営業運転開始
京成3100形に続き、新京成80000形もデビュー。12月27日、新京成電鉄の14年ぶりとなる新型車両である80000形が営業運転を開始した。営業初日となった27日はくぬぎ山7時3分発松戸行...
京成3100形(3150形) 営業運転開始 1 - デビューまでの動きと今後について
10月26日ダイヤ改正でデビューした京成電鉄の新型車両3100形(3150形)。ようやくあれこれ観察することができたので、今さらながら営業運転の様子とデビューまでの動きをまとめてみた。さらに...
京成3600形3638編成 営業運転終了
京成3600形に廃車が発生。京成電鉄では今年度、新型車両となる3100形を導入、3151編成と3152編成の8両編成2本が先日のダイヤ改正より営業運転を開始したところである。これに伴い...
京成AE形AE9編成 登場
京成AE形AE9編成が登場。8月末より、AE形の新造車であるAE9編成がお目見えしている。AE形が新造されるのは9年ぶりのことで、成田スカイアクセス線が開業してから初めての増備車となる。かねて...
最新記事
最新記事
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...
北総車の京急線内特急運転が復活
約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」としたこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行...