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2022.12.10

祝・快速と通勤特急、運行開始から20周年。その3。

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京成3000形 3026編成
2013.10.25/菅野〜京成八幡

▲快速とともに運行開始から20年が経過した通勤特急。平日朝に見られる京成上野行は20年前からほとんど変更なく運転されている
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京成3700形 3738編成
2010.6.7/実籾〜八千代台

▲通勤特急の種別カラーは当初オレンジ色であった。水色となったのは2010年7月ダイヤ改正のことで、オレンジ色を成田スカイアクセス線ならびにアクセス特急に譲ったため

快速とともに運行開始から20周年を迎えた通勤特急。今回は、通勤特急の20年間を振り返ってみよう。その1その2

通勤特急という種別

2002年10月ダイヤ改正で快速とともに新設された通勤特急は、その名の通り朝と夜間の通勤ラッシュ時間帯の輸送に特化した種別として登場した。種別色は当初オレンジ色で、2010年7月の成田スカイアクセス線開業に伴い水色に変わっている。

通勤特急の特徴は何と言ってもその停車駅にあろう。京成上野・押上~勝田台は特急と同じ、勝田台から各駅停車という停車パターンはこれまでにないもので、対都心の輸送で競合関係にある東葉高速線を意識していたのは明白であった。通勤特急の新設により、東京のベッドタウンとして通勤時間帯の需要が強い佐倉・成田市内各駅の利便性は向上。一部の駅で挙がっていた特急停車の要望を誤魔k・・・に応えることもできた。

基本的には朝と夜間の通勤ラッシュ時間帯に走る通勤特急だが、朝と夜間で役割に違いが表れているのが面白いところ。朝の上り列車は、都営浅草線直通の特急(2006年12月ダイヤ改正より快速特急)と合わせて輸送の軸となる20分に3本の優等列車を構成しながら、特急の力が及ばない京成上野方面と勝田台以東の各駅をケアする、特急を補完する役割を果たしている。京成高砂・青砥で北総線からの特急西馬込行と相互接続するのも大きなポイントで、これにより京成上野行でありながら都営浅草線方面への利便も確保している(北総線特急から見た逆も然り)。

対して、都営浅草線からの直通となる夜間の下り列車は、京成本線末端部の輸送力調整という感が強い。通勤特急が勝田台から各駅停車となる分だけ普通を京成大和田や京成臼井折返しにできるため、夜間の京成本線末端部に過剰な本数の列車を走らせなくて済むというわけだ。

運行の変遷

20年間の通勤特急の変遷をたどってみよう。通勤特急が登場した2002年10月改正においては、上りは京成上野行5本、下りは22時台以降に都営浅草線から下る優等列車6本が通勤特急として走るというたいへんシンプルな設定であった。

2004年10月ダイヤ改正でその本数は一気に増加。朝の上りは快速からの格上げで京成上野行が1本増発、また特急からの格下げで西馬込行が1本加わり、7本体制になった。下りは運転時間帯が拡大され、20~21時台の特急の一部が通勤特急に変更。こちらも4本増の10本となった。さらに、下りの通勤特急については一部で都営浅草線内でエアポート快特となる列車が新設され、都心からの速達性が向上した。

また、現行ダイヤでも見られる深夜上りの通勤特急が登場したのもこの時。この列車はもともと特急だったが、同時間帯に走る普通列車の削減(1往復分を京成大和田折返しにする)を目的に格下げされたものとなる。この列車のみ土休日にも設定、現在に至るまで臨時ダイヤ(後述)を除いて土休日に走る唯一の通勤特急だ。

2004年10月以降、多少の行先変更と2017年10月ダイヤ改正で下り列車が1本減じられた程度で大きな動きはなかったが、2020年代に入ってから新型コロナウイルスの感染拡大による利用状況の変化で通勤特急は大きな影響を受けることになる。

まず、終電繰り上げと始発繰り下げを目的とした2021年3月ダイヤ変更で、下り最終の京成佐倉行の運転が取り止められた。さらに、2022年2月ダイヤ改正では特に夜間の下り列車の全般的な種別見直しにより、通勤特急は一挙3本の減。ここにきて下りの通勤特急は5本という少数派になっている。快速が夜間下りにおいても輸送力の調整役として台頭してきており、このあたり通勤特急の行く末が少し心配なところではある。

他社局車の通勤特急

通勤特急は走る時間帯や運行系統の関係上、そのほとんどが京成車での運転される。今のところ定期運用として設定された京成車以外の通勤特急は都営車だけだが、現れては消えの繰り返しできわめて限定的である。これまでに設定された都営車の通勤特急は、2004年10月ダイヤ改正での京成成田行(2006年12月消滅)と2013年10月ダイヤ修正での京成成田行(2014年11月消滅)、2022年2月ダイヤ改正での京成成田行と西馬込行のみ。

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都営5300形 5323編成
2014.4.9/八千代台

▲時おり出現する都営車の通勤特急。写真は2013年10月ダイヤ修正で登場した1933T京成成田行
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北総9000形 9018編成
2013.4.21/新鎌ヶ谷

▲2013年4月に「ほくそう春まつり号」として走った通勤特急千葉ニュータウン中央行。北総車の通勤特急表示は2010年7月以降もオレンジ色のままで、特にLEDの行先表示においては京成車との数少ない仕様の違いのひとつになっている

臨時列車として北総車の通勤特急が運転されたことは特筆されよう。2013年4月の臨時列車「ほくそう春まつり号」は八千代台始発千葉ニュータウン中央行の通勤特急として設定され、9000形が通勤特急として走った。通勤特急のない北総線内は京成高砂から小室まで無停車で、イベントならではのたいへんユニークな列車であった。

臨時ダイヤにおける変わり種通勤特急

最後に、臨時ダイヤで見られた変わり種の通勤特急を紹介しよう。臨時ダイヤは災害発生時など長期にわたって通常のダイヤによる運行ができないときに実施されるもので、通勤特急の運転に影響が及ぶものがあった。

2011年3月に発生した東日本大震災直後の臨時ダイヤは、東京電力管内の電力逼迫を受けて平日においても土休日ダイヤをベースとしたものが使用されたため、輸送力の不足を補うために京成成田始発の通勤特急京成高砂行(6S94)が運転された。また、続く4月から実施された臨時ダイヤでは、全体的な減便に伴う救済措置として平日7時台下りの特急成田空港行1本が通勤特急に変更された。

2013年10月の台風による京成成田駅の土砂流出災害では、同駅の1番線使用停止に対応するため一部の列車の行先や種別変更を実施。この中で通勤特急京成成田行1本が宗吾参道行として走った。

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京成3400形 3408編成
2011.4.2/実籾〜八千代台

▲東日本大震災の影響で走った通勤特急京成高砂行。2011年3月22日〜4月3日の平日に実施された初期の臨時ダイヤで見られた
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京成3000形 3001編成
2013.10.18/京成佐倉

▲2013年10月16日の災害発生から同26日のダイヤ修正までわずかな期間だけ走った通勤特急宗吾参道行

(完)

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