2023.01.20
京成3400形に残る「北総・公団線」表記。
京成高砂から東松戸や新鎌ヶ谷を抜けて千葉ニュータウンに至る北総線は、かつて北総・公団線と言っていた。千葉ニュータウン内の鉄道整備において、諸々の事情から小室から先の区間が住宅・都市整備公団1)の千葉ニュータウン線として開業した経緯があるためである。北総・公団線と名乗っていたのは、当時の北総開発鉄道が小室から先の区間の第2種鉄道事業者となった1988年4月から、この区間の鉄道施設が公団から京成子会社の千葉ニュータウン鉄道に移管される2004年7月までの約16年で、駅の看板や路線図などでその表記は見られた。
そんな旧称であるはずの北総・公団線だが、ある箇所で復活を遂げている。その箇所とは、京成3400形3418編成の上野方先頭車、3418号車の前面方向幕。北総・公団線表記の入った行先表示が、同編成が時おり充当する北総線直通列車において見られる。こういった類のものは忘れ去られた古い設備などで発掘されることはあるが、よりによって車両の前面という目立つところで日常的に実使用されてしまっているのだから面白い。北総・公団線が改称されたのって、もう19年前っすよ・・・?
北総・公団線表記入りの行先表示は、京成車の方向幕の特徴のひとつであった。通常、方向幕は行先となる駅名だけをいっぱいに配置する体裁をとるが、印西牧の原と印旛日本医大の2コマについては駅名に加えて路線名を補助的に挿入。多くの人にとって馴染みの薄いであろうこれら行先の列車において、北総・公団線直通であることを明示していた。
ところが、前述のとおり2004年7月に北総・公団線は北総線に変わったわけである。方向幕については京成車の北総線直通運用が増加した2010年より対応が開始され、北総・公団線表記の部分に上からシールを貼って消すという改修が行われた2)。その後、2016年に新しく製作された方向幕で前記2コマの北総・公団線表記は完全に消えることとなるが、どういうわけか文字の割付がそれ以前と変わらなかったため、北総・公団線表記の痕跡が不自然な余白として残っている。
3418編成においても全車両で漏れなく北総・公団線対応が行われたはずだが、方向幕は劣化したり破損したりしてしまうもの。何らかの時に方向幕を交換した際、未改修の古いものが装着されてしまったものとみられる。いつからこのようなことになっているかはよくわからないが、少なくとも1年以上はこの状態。願わくば3418号車ではなく北総線直通列車として走る際に先頭になる3411号車がこうだったらと思うが、それはそれで早いところ対策されてしまいそうだからこれでよかった??(よくない)
- 1)都市基盤整備公団を経て現在の都市再生機構。
- 2)北総・公団線改称から方向幕が改修されるまで6年の間があるわけだが、2004年7月の時点で京成車は北総線への定期運用がなく、2006年12月ダイヤ改正で復活した北総線直通列車も2010年まで平日に1〜2往復だけだったため、方向幕はそのままだった。
関連記事
京成3400形3418編成 営業運転終了
京成3400形に廃車が発生。3100形の導入などで2020年度より置き換えが進んでいる3400形だが、このほど3418編成が営業運転を終了した模様だ。現在、同編成は既に一部の機器類の取り外しが...
京成3400形 千葉・千原線を走る
京成3400形が千葉・千原線を走る。12月18日、京成トラベルサービスが主催する「3400形貸切列車による千葉線・千原線入線ツアー」が催行され、これに伴う団体臨時列車が運転された。ツアーは表題の...
京成3400形3428編成 営業運転終了
京成3400形に廃車が発生。京成電鉄では9月30日より今年度分の新造車となる3100形3156編成が運行を開始したところだが、これに伴い3400形3428編成が運用を離脱、廃車になった模様である...
京成3400形 成田スカイアクセス線を走る
京成3400形が成田スカイアクセス線を走る。9月5日、京成3400形が終電後に宗吾参道○→京成高砂→印旛日本医大△、印旛日本医大○→空港第2ビル→宗吾参道△という行路で試運転を実施した。試運転の...
京成3400形3408編成 営業運転終了
京成3400形に初の廃車が発生。京成電鉄では今年度、新型車両となる3100形を2編成導入する予定となっているところだが、3153編成の導入に伴い3400形3408編成がこのほど運用を離脱、廃車に...
最新記事
最新記事
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...
北総車の京急線内特急運転が復活
約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」としたこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行...