2023.04.16
京成グループにおける2022年度の車両の動きをまとめてみよう。
京成電鉄
- 廃 車 - カッコ内は最終運行日
3418-3417-3416-3415-3414-3413-3412-3411(3/23)
-3746-3743-3742-3741(11/11)
3788-3787-(11/17)
- 改 番 -
3748→3788、3747→3787
2022年度の京成電鉄は、車両の導入を行わず廃車のみが発生するという特異な年度になった。廃車となったのは、3400形3418編成(8両)と3700形3748編成の一部(4両)、3788編成の一部(2両)の合わせて14両。昨年度に引き続き3400形の置き換えが進行したほか、3700形も脱線事故の影響で2年続けて廃車が発生した。
現在、これらの車両は宗吾車両基地内で冷房装置や行先表示器などの部品が外されるなど解体・搬出に向けた作業が行われている状況(3788号車のみ高砂検車区)となっている。3748編成と3788編成の残った車両については3748号車と3747号車をそれぞれ改番の上で3788編成に組み込み、新たな3788編成が登場したのは既報のとおりである。
今年度、車両の動きとして廃車のみとなったのは、列車無線のデジタルSR化の進捗に伴い予備車として運用していた分が不要になったことによる。京成では2017年度に8両編成3本分を純増、このうち北総にリースした8両と2020年度に廃車となった2両を除いた14両分(8両編成1本+6両編成1本)をデジタルSR無線の対応工事に伴う予備車として運用してきた。今回の廃車はこの数と一致しており、予備車の運用終了による余剰分がそのままお役御免となった格好だ。
予備車については3400形8両編成1本と3600形6両編成1本をその対象とし、デジタルSR無線の対応状況などから当初は3418編成と3688編成の廃車を予定していたものと思われる。しかし、3688編成がここにきてデジタルSR無線の対応工事を施工、現在も運用入り。これについては、脱線事故などで使用不能となった3700形6両分の代替であることは明らかであろう。すなわち、廃車が予定されていた3600形とそうでなかった3700形が急遽入れ替わってしまった可能性が高い。
このことや2021年度における3520編成の廃車、2022年度の3100形導入見送りなどから、車両の動きに当初の計画からの大きな狂いが生じていることは容易に想像できる。まさか2022年度が終わった時点で界磁チョッパ制御の車両が3編成も残っているとは、京成としても想定外だったはずだ。
新京成電鉄
続いて、新京成の車両の動きも見てみよう。
- 新 造 -
80036-80035-80034-80033-80032-80031
- 廃 車 -
8801-6-8801-5-8801-4-8801-3-8801-2-8801-1
- 更 新 -
8815-6-8815-5-8815-4-8815-3-8815-2-8815-1
新京成では2022年度も昨年度に引き続き80000形を新造、3編成目となる80038編成が登場した。80000形は着実に数を増やしており、見かける機会も増えてきている。一方、80038編成の導入により8800形8801編成が廃車となっている。8800形に廃車が発生するのは初めてのことで、8000形なき後の最古参となった8800形の置き換えが早くも始まった格好である。
年度につき概ね1編成が対象となっている8800形のリニューアル工事については、例年とは異なる動きが見られている。今年度は8815編成がリニューアル対象となったが、車体のリニューアルのみを実施。VVVFインバーターなどの機器更新は見送られたため、8800形に機器非更新のリニューアル車という新たな形態が出現することとなった。昨今の半導体不足が影響したのか、あるいはもとよりこういう計画だったのか、その答えは今後の動向次第で見えてくるだろうか。
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