2024.05.22
今年も大型連休が終わり、鉄道各社から設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも20日に発表1)があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。
2024年度における鉄道事業の投資額は243億円で、昨年度実績比83億円、52%の増。この数字は、コロナ禍前の2019年度における設備投資計画(227億円)よりも上回っている。
車両 - 新型車両3200形を導入 ほか
車両については、かねてより導入されることが明らかになっていた新型車両3200形の今年度中の導入が明言された。3200形についてはこれまで状況証拠的に2024年度の登場が有力視されていたところだが、ついに登場が確定することとなった。設備投資計画の発表に合わせて3200形についてのプレスリリース2)も行われており、外観や車内の様子、コンセプトなどが明らかになっている。
3200形のプレスリリースによれば、今年度は6両を導入し、2025年冬の営業運転開始を目指すという。スケジュールを逆算すれば、実車が姿を表すのは今年の秋ごろになるだろうか。
このほか、過年度より実施している車内灯のLED化を引き続き進めるとしている。
駅 - 青砥駅などにホームドア設置 ほか
続いて駅や施設について見てみよう。
- 駅リニューアル(青砥、市川真間、京成中山)
- ホームドア設置の推進(青砥、京成高砂、鬼越)
- トイレのリニューアル(実籾、公津の杜)
- バリアフリー化(勝田台、新千葉、大森台)
- ホーム改修(宗吾参道)
- 耐震改修(京成佐倉)
駅のリニューアルは青砥と市川真間、京成中山で実施。市川真間と京成中山については今年度で完了するとしている。
ホームドアについては昨年度までに押上への設置が完了し、新たに設置が進められる駅が示されることとなった。京成は「鉄道駅バリアフリー料金制度」の活用によって2035年度までに13駅(堀切菖蒲園、お花茶屋、青砥、京成高砂、国府台、市川真間、鬼越、京成中山、京成船橋、船橋競馬場、谷津、八千代台、京成立石)に対してホームドアを整備することを明らかにしており3)、このうちの3駅より設置が進められる模様である。
勝田台と新千葉、大森台のバリアフリー化も「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したものとして実施される。勝田台は南口にエレベーター、新千葉と大森台はエレベーターとバリアフリートイレなどがそれぞれ整備される。
その他
- 本線荒川橋梁架替工事の推進
- 押上線四ツ木〜青砥間連続立体交差事業の推進
- 耐震改修(千葉寺〜ちはら台)
- 法面補強(京成成田〜空港第2ビル)
- 連動装置更新(青砥)
- 日暮里変電所機器更新
- 宗吾車両基地拡充工事計画における新工場建設工事の推進
大規模な事業として、京成本線荒川橋梁架替工事と押上線の葛飾区内における連続立体交差工事を国や関連する自治体と連携して引き続き推進する。京成立石付近の工事については今のところ下り仮線の構築が進められているところであり、今年度中にも線路の切り替えがありそうな雰囲気。
また、4月に起工式を行った宗吾車両基地の拡張工事が設備投資計画に初登場した。2029年度に予定されている成田空港の更なる機能強化に向けたもので、新工場の建設工事を推進するとしている。宗吾車両基地の拡張については、こちらの記事を参照のこと。
- 1)2024年度 鉄道事業設備投資計画[PDF] - 京成電鉄の2024年5月20日付プレスリリース
- 2)2025年冬に「3200形」を導入します[PDF] - 京成電鉄の2024年5月20日付プレスリリース
- 3)鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、バリアフリー設備の整備を推進します[PDF] - 京成電鉄の2023年9月15日付プレスリリース
関連記事
京成線 駅別乗降人員ランキング(2023年度)
2023年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2023年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
京成グループ 車両の動き(2023年度)
京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...
京成3700形 機器更新車が登場
京成3700形に機器更新車が登場。デビューから今年で33年を迎える京成3700形。ここ最近は、車体改修工事の実施や脱線事故とそれに伴う廃車、北総鉄道へのリース・返却など何かと話題に事欠かない車両...
京成電鉄 宗吾車両基地拡張の概要が明らかに
京成電鉄、宗吾車両基地の拡張後の姿が明らかになる。将来的な成田空港の機能強化に伴う空港利用者の需要増加に備えるため、かねてより拡張が行われることが明らかになっている宗吾車両基地。12月22日...
京成電鉄 3100形は7編成で製造終了か
京成3100形は3157編成で製造終了? 6月30日、京成電鉄はバリアフリー法に基づく2023年度の移動等円滑化取組計画書を公表した。その中で、車両について今後の導入計画が明らかになっている...
最新記事
北総線 西白井駅で『ウマ娘 プリティーダービー』特別装飾を実施
「ウマ娘」たちが北総線西白井駅を駆ける。北総鉄道では、10月中旬より西白井駅において『ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)』の特別装飾を実施している。『ウマ娘』とは、株式会社Cygames...
「都営フェスタ2024 in浅草線」開催
5年ぶりの祭典。11月30日、東京都交通局馬込車両検修場で車両基地公開イベント「都営フェスタ2024 in浅草線」が開催された。三田線の志村車両検修場と交互で概ね2年に1度に開催されるイベント...
京成電鉄 モーニングライナー・イブニングライナーの特急料金を改定
京成線、モーニングライナーとイブニングライナーを実質値上げ。11月23日、京成電鉄では京成本線で運行している座席指定制の特急列車モーニングライナーとイブニングライナーの特急料金の改定を実施した...
四直珍列車研究 136 - 平日 720T
唯一、かつ初めての羽田空港行。京成線や北総線、都営浅草線では、23日にダイヤ修正が実施される。ダイヤ修正前日の記事として、今回も消えてしまう珍列車を取り上げてみよう。平日720Tレ特急羽田空港行...
京成線 2024年11月23日ダイヤ修正
京成電鉄では、11月23日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、プレスリリースや15日発売の京成時刻表Vol.33などで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。本稿では...