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千葉内陸バス1125号車 「バードヒル池花」カラーの日野レインボーHR

2024.07.29

団地専用カラーの終焉。

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千葉内陸バス 1125号車
2023.2.7/勝田台団地休憩所

▲5月に引退した千葉内陸バス1125号車。「バードヒル池花」カラーが特徴の1台であった
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千葉内陸バス 1125号車
2023.12.1/八千代市勝田台南

▲うしろ側

千葉内陸バス1125号車は、2003年に導入された日野レインボーHR(KL-HR1JKEEKK-HR1JKEE)である。カラーリングが白と緑の千葉内陸バスの標準塗装ではなく、四街道市の住宅地「バードヒル池花」の専用カラーとなっていることが特徴の1台であった。

1990年代の一時期、団地専用カラーのバスが流行ったことがあった。新しい住宅地が開発されて街ができ、路線バスを新しく走らせる際に、増車となる分の車両をその路線の専用カラーで導入したのである。特に千葉県北西部では、そうした規模が比較的大きい郊外型住宅地の開発が盛んだったので、多くの専用カラーの車両を見ることができた。京成バスだけでも、染井野カラー(佐倉市)や瑞穂の杜カラー(千葉市)、み春野カラー(同)、滝野カラー(印西市)などといった、それぞれの路線用に導入された車両が在籍していた。

表題の1125号車は、そんな団地専用カラーの生き残りであった。千葉内陸バスで見られた「バードヒル池花」カラーは、1992年のバードヒル池花線(四街道駅〜バードヒル池花)開業に伴い登場したもので、同線用の車両として専用カラーとまとった3台の車両(1069〜1071号車、日野U-RJ3HJAA)が導入された。その後、2003年になって車両代替に伴い1123〜1125号車も同カラーで登場。この3台のうち、最後まで残っていたのが1125号車だった。

専用カラーをまとっていたものの、実のところバードヒル池花線で活躍した期間は短く、さまざまな路線に顔を出した。京成バスから八千代市内を走る路線が移管されると、晩年は特に勝田台駅発着路線で見かけることが多かった。僚車である1123号車と1124号車の離脱後もしぶとく活躍を続けていたが、5月、ついにその生涯を閉じることとなった。

人口減少・都心回帰の時代となった今となっては、郊外でバス路線の新設を伴う住宅地が開発されることもほとんどなくなり、バスそのものも乗務員不足などの事情が重なって路線は縮小される一方である。バスがまだ元気だった時代に生まれた団地専用カラーは、終わりを迎えた。

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