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新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

2025.03.31

歴史の証人。

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新津田沼駅 0キロポスト
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▲1947年12月の新京成線開業以来、駅を移転しながらも同線の歴史を見続けてきた新津田沼駅の0キロポスト。京成電鉄への吸収合併に何を思う
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新津田沼駅 0キロポスト
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▲事業者によっては0キロポストに装飾を施してモニュメント的な意味合いを持たせているところもあるが、新京成のものは素のままの姿。THEキロポストという風体をしている

まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを示す標識である。同駅1番線の松戸方に設置されており、全列車の6両編成化によってあまり使われなくなった空間に静かに佇んでいる。

同駅の0キロポストは、新京成の歴史を表している。新京成線の下り列車は松戸を起点として津田沼方面に向かって走っているが、同線の歴史は津田沼方から始まった。1947年12月に、まず新津田沼〜薬園台が開業。その後、松戸方に線路を順次延ばしていき、1955年4月の全線開業に至る。0キロポストが松戸ではなく新津田沼にあるのは、まさに路線が津田沼方から延びていった証である。

逆方向の新津田沼〜京成津田沼は1953年11月に開業しているが、当初この区間は京成の津田沼工場(第2工場)への連絡線を活用したもので、開業時点では線路はまだ京成の所有物であった。この区間が正式に新京成のものとなったのは1987年4月のことで、0キロポストより京成津田沼側の区間については、距離はマイナスでカウントされている。

また、当の新津田沼も3度の移転(1953年11月、1961年8月、1968年5月)を経て現在の地に落ち着いているが、そんなような事情も含めて、同駅の0キロポストは開業時より新京成線の歴史を見続けてきた。

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新津田沼駅 0キロポスト
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▲現在の新津田沼駅は4代目。初代と3代目が同じ場所で、現在より少しだけ松戸方にあった

冒頭に記したように、新京成線は4月より京成松戸線となり、路線として大きな転換点を迎える。しかし、これは決して終わりではない。京成松戸線として新たな歴史のスタート地点と捉えることもできる。新津田沼駅の0キロポストも京成に引き継がれる(はず)だが、それは今後どういう歴史を見ていくことになるだろうか。

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