国鉄型車両を訪ねて 28 - JR東日本EF81形牽引「安中貨物」
2025.09.25
国鉄型車両を訪ねて。その28は、EF81形電気機関車が牽引していた「安中貨物」である。
JR東日本 田端運転所 EF81 97号機
2006.10.9/佐貫〜牛久
JR東日本の電気機関車が風前の灯となっている。同社においては工臨や配給輸送などの業務用列車がE493系やキヤE195系、GV-E197系の使用に移行しつつある中で、6月には残り少ない客車のうちのひとつだったE26系「カシオペア」が運転終了。上越線で機関車の動態保存的に運転される「のってたのしい列車」も、7月には蒸気機関車のプッシュプル相手がGV-E197系に変更されるなど、電気機関車の活動範囲はもはや壊滅的な状況となっている。
9月に入ると、尾久車両センターに残っていたEF65形1両が長野総合車両センターに、EF81形2両が秋田総合車両センターにそれぞれ廃車のため輸送され、同所に所属していた電気機関車が消滅。田端の地から旅客用の電気機関車がいなくなるという、いままさに歴史的転換点を迎えている。
というわけで(?)、過去写真の在庫整理を兼ねて、私が撮影した数少ない電気機関車の写真をば。信越本線の安中から福島臨海鉄道小名浜を信越本線、高崎線、武蔵野線、常磐線経由で運転していたEF81形牽引の貨物列車、通称「安中貨物」である。撮影は19年前、2006年10月のことである。
当時の「安中貨物」の特徴は、JR貨物の列車にもかかわらず業務委託によりJR東日本田端運転所に所属するEF81形による牽引となっていたことだった。同所のEF81形はバリエーションが豊富で、赤一色のノーマルな車両のほかにお召仕様の81号機や「北斗星」塗装の「星釜」、スーパーエクスプレスレインボー塗装の「虹釜」、「カシオペア」塗装の「カシ釜」がいた。これらのうち「安中貨物」には「カシ釜」を除いて分け隔てなく運用に入っていたようで、人気の「虹釜」こと95号機が充当した際には沿線は大いに賑わった。走る時間帯もよかったので、何かと注目されていた列車だった。
列車は非鉄金属メーカーの東邦亜鉛が精錬事業で用いる原料などを輸送するためのもので、亜鉛焼鉱専用のタキ15600形と亜鉛精鉱輸送用のトキ25000形が使用されていた。基本の組成はタキ15600形12両+トキ25000形6両だったが、連休などで多少の変動があったほか、日によってはオマケが付くこともあり、私が撮影した日にはトラとコキがそれぞれ1両ずつ繋がっていた。
その後、「安中貨物」は牽引機が2010年12月ごろよりEF510形に、2013年3月ダイヤ改正からJR貨物仙台鉄道部のEH500形に変更。牽引される貨車も次第に新しくなっていった。しかし、荷主である東邦亜鉛の業績不振による事業再編で2025年3月に運転終了。1963年の運転開始以来62年間の歴史に終止符を打つことになった。なお、同社は事業再生を行う中で「安中貨物」を復活するという話が出ているようだが、はたしてどうなるだろうか。
関連記事
2024.03.15
国鉄型車両を訪ねて 26 - JR東日本201系 通勤快速成東・勝浦行
さようなら、「なるかつ」。「へー、京葉線なのに勝浦まで行くヤツがあるんだ。」ある時に時刻表の京葉線のページを眺めていて「発見」した勝浦という文字は、私の中で驚きとともにやけに魅力的に映った...
2023.11.11
国鉄型車両を訪ねて 25 - タイ国鉄キハ183系
国鉄型車両を訪ねて、初めての海外編はタイを走るキハ183系をば。2023年春のダイヤ改正で定期運用を終了したJR北海道のキハ183系。その一部がタイ国鉄へ譲渡され、熱帯の気候の中を走っていること...
2019.12.05
国鉄型車両を訪ねて 24 - JR西日本381系 臨時特急「まほろば」
JR西日本では秋の行楽シーズンにおける臨時列車として、特急「まほろば」を新大阪〜奈良にておおさか東線・大和路線経由で運転している。2019年3月に全線開業したおおさか東線を走る初めての特急列車...
2018.03.15
国鉄型車両を訪ねて 23 - JR北海道キハ183系国鉄色リバイバルカラー
国鉄型車両を訪ねて、その23はJR北海道のキハ183系をば。今年もJR各社のダイヤ改正の時期がやってきた。JRのダイヤ改正においては、どれそれの車両や列車が新しく走り始めるだの引退するだの...
最新記事
2026.05.16
京成線 駅別乗降人員ランキング(2025年度)
2025年度の京成線の乗降人員ランキング! 京成線の全91駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2025年度の駅別乗降人員をランキング形式で見て...
2026.05.11
京成バス千葉セントラル2741号車 「ふなっしー号」のその後
京成バス千葉セントラル2741号車、「ふなっしー」号のその後。その車両番号がきっかけとなり、「ふなっしー」号として船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」のラッピングをまとって走った京成バス...
2026.05.05
京成線 市川真間駅が「市川ママ駅」になる(2026年)
市川真間駅が「市川ママ駅」になる。京成電鉄と京成バス千葉ウエストでは、4月下旬より市川真間駅と同バス停において「市川ママ駅」特別装飾を実施している。駅名の読みが「いちかわまま」であることに...
2026.04.30
京成3000形・8800形 「松戸線開業1周年記念」ヘッドマーク
松戸線開業1周年。京成電鉄では、4月1日より「松戸線開業1周年記念」ヘッドマークの掲出を行った。4月1日に松戸線が京成の路線として開業してから1周年を迎えたことを記念して実施している「松戸線開業...
2026.04.25
芝山鉄道 3600形3668編成が登場
3600形3668編成が芝鉄車になる。芝山鉄道3500形3540編成の引退に伴い、3代目となる芝鉄車がお目見えしている。新たに芝鉄車として京成よりリースされたのは、3600形で唯一のVVVF...








