2010.01.14
これまで、京急車の快速代走において方向幕が不備のときの対応をいくつか取り上げてきたが、今回は最近の代走で多く見られた対応をご紹介。

京急1500形 1731編成
2008.6.12/実 籾
これまでこのシリーズで取り上げたものは、種別幕に「快速」が無いときの対応であった。しかし、これまで何度か触れたように、2006年12月で日中の快速が佐倉折返しになると、今度は「佐倉」幕を装備していない編成が佐倉行に代走で充当されるようになった。
佐倉幕非装備の編成が17Hを代走すると見られたのが、前面の窓に「佐倉」と書かれた紙を掲出する方法。一見すると、快速札に似たようなものなのだが、こちらは何度も使用することを想定して、かつての都営車による急行よろしく内側から吸盤で窓ガラスに取り付けられるようにしたもの。手作り感あふれる代物だが、これでも立派な押上駅常備品であり、方向幕不備の編成が充当された場合の取り扱いがこれを使用する方法で統一されていた。
この頃になると、600形以外の京急車においてもほとんどの編成が「快速」の種別幕を装備していたので、代用して掲出するのは「佐倉」だけでよさそうなのだが、「快速」のほうも制作されている。これには以下の理由があると思われる。

京急新1000形 1065編成
2009.1.30/谷津〜京成津田沼
佐倉表示ができない新1000形のLED車は、行先はともかく、どういうわけか種別も表示できないらしく、行先・種別ともに非表示で運転された。従って、「快速」の代用品も新1000形LED車が17Hに充当してしまったときに必要だったのである。
現在は佐倉幕もほとんどの編成が表示できるようになっており、このような対応をすることもほとんど無くなってしまった。今のところ、この押上駅常備品を最後に使用したのは2009年7月24日の1049編成で、(私の確認漏れがなければ)これ以降見ていない。
関連記事
京急車の快速代走 7 - 手書きで「快速」
後輩駅員「先輩! 今日の17H、また代走っスよ」 先輩駅員「ォィォィ、またか・・・車両の番号はいくつだ?」 後輩「えーと、1009みたいっス。」 先輩「チッ・・・快速なしかよ。おい、いつものアレ...
京急車の快速代走 6 - 「快特」表示の「快速」
京急の快速幕非装備車の快速充当時の対応として、前回は快速札を用いるという比較的ポピュラーな方法を取り上げたが、今回はレアな対応をご紹介。京急車には「快速」幕はなくとも「快特」幕は必ずあるわけで...
京急車の快速代走 5 - 快速札
このシリーズでは今回より、京急車の京成線高砂以東の運転に必要な「快速」幕や「佐倉」幕の非装備車両が代走した場合の対応を取り上げてみる。対応その1は、"快速札"。快速の札を前面内側から貼り付ける...
京急車の快速代走 4 - 快速幕・佐倉幕
前回の記事から少し間が開いてしまったが、京急車の快速代走のハナシのつづきをば。ここからは種別・方向幕の方向へ話題をシフトしたいと思う。京成線高砂以東に直通する京急所属車は、京成線内で使用する...
京急車の快速代走 3 - 3600形の羽田空港行
このシリーズでは京急車の快速代走を追いかけているが、これに似た事例として3600形の羽田空港行を取り上げてみよう。前々回の記事において、朝ラッシュ時の遅延が大きくなると17Hと79Hが交換される...
最新記事
2025.10.01
京成線 3050形と3000形の違いを探せ!
京成3050形と3000形の違いを探してみよう。2010年7月の成田スカイアクセス線の開業に合わせて導入された3050形。もとは同線を走るアクセス特急用の車両だったが、2019年度からの...
2025.09.25
国鉄型車両を訪ねて 28 - JR東日本EF81形牽引「安中貨物」
国鉄型車両を訪ねて。その28は、EF81形電気機関車が牽引していた「安中貨物」である。JR東日本の電気機関車が風前の灯となっている。同社においては工臨や配給輸送などの業務用列車がE493系や...
2025.09.20
フランス国鉄 TGVに乗る 3 - TGV inOui編
2024年秋にフランスを訪れた際に、フランス国鉄の高速鉄道TGVに乗る機会があったので、雑感を記してみようと思う。その3はTGV inOui編。フランス国鉄TGV乗車記、いよいよ乗車編を記す...
2025.09.15
北総9200形 「北総線沿線活性化トレイン」運転(2025年)
北総線沿線の魅力がぎゅっと詰まった電車。北総鉄道では、7月中旬より「北総線沿線活性化トレイン」の運転を行っている。同企画は、北総線沿線地域の更なる活性化を資することを目的に、北総と沿線自治体...
2025.09.10
京成線 まだまだ頑張る3600形
1982年に営業運転を開始した3600形。2016年度より廃車が始まり、現在では3668編成と3688編成の2編成を残すのみとなっているが、3668編成は2025年8月に、3688編成は...