KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2021.03.31

年度末ということで、京成グループにおける2020年度の車両の動きをまとめてみよう。

D36599.jpg

京成3150形 3153編成
2021.3.12/立会川

▲昨年度、17年ぶりの新型車両として登場した3100形(3150形)。昨年に引き続き8両編成2本が導入された
D34209.jpg

京成3600形 3688編成・3658編成
2020.6.30/町 屋

▲7月上旬に運用を終了した3658編成と中間車2両が廃車になった3688編成。3600形の8両編成が終了した
X73141.jpg

京成3400形 3408編成
2018.12.21/京成臼井〜京成佐倉

▲今年度、初めて廃車が発生した3400形。写真の3408編成が廃車になった

京成電鉄

- 新 造 - カッコ内は入線日
3153-8-3153-7-3153-6-3153-5-3153-4-3153-3-3153-2-3153-1(7/13)
3154-8-3154-7-3154-6-3154-5-3154-4-3154-3-3154-2-3154-1(7/2)

- 廃 車 - カッコ内は最終運行日
3658-3657-3656-3603-3602-3653-3652-3651(7/2)
-3663-3662-(7/3)
3408-3407-3406-3405-3404-3403-3402-3401(8/9)

2020年度、京成電鉄は3100形8両編成2本を導入した。2本は成田スカイアクセス線仕様の3150番台で、日本車両製の3153編成と総合車両製作所(J-TREC)製の3154編成がいずれも7月に営業運転を開始している。これに伴い、成田スカイアクセス線仕様の3050形2本(3052編成・3053編成)が京成本線仕様に変更された。

一方、廃車となったのは3600形10両と3400形8両。3600形は3658編成が編成丸ごと廃車になったほか、3688編成の中間車2両も廃車とされた。中間車が抜かれた3688編成は6両編成となり、合わせてリバイバルカラーとなったことは以前の記事でお伝えしたとおりである。これにより、3600形は8両編成の運用が終了し、他社線への直通列車から事実上の撤退になった。残る3600形は6両編成の3688編成とVVVFインバータ制御で4両編成の3668編成の2本となる。

3400形は8月上旬に3408編成が廃車になった。3400形に廃車が発生するのは初めてのこととなる。京成では2020年6月に開示した有価証券報告書1)の中で2021年度も16両の車両新造を明らかにしているが、このまま3100形の増備が続けば3400形の淘汰が進むことが予想される。もとより3400形は40両という小所帯なので、予断を許さない。

新京成電鉄

続いて、新京成の車両の動きも見てみよう。

X78427.jpg

新京成8800形 8803編成
2020.1.5/二和向台〜三咲

▲VVVFインバーターなどの機器更新だけ先行していた8800形8803編成。今年度になってようやく内装のリニューアルが実施された

- 新 造 -
なし

- 廃 車 -
なし

- 更 新 -
8803-6-8803-5-8803-4-8803-3-8803-2-8803-1(車体のみ)
8813-6-8813-5-8813-4-8813-3-8813-2-8813-1

2020年度の新京成は新造と廃車ともなかった。概ね1年度につき1編成が対象となっている8800形のリニューアル工事は、8803編成と8813編成において実施。8813編成は機器更新+内装リニューアルを実施、8803編成は内装リニューアルのみが行われた。8803編成は2015年度に機器更新だけ先行して実施されたため、古い内装でSiC-VVVFというちぐはぐな状態が続いていたが、今回のリニューアルによってようやくそれが解消された。

新京成電鉄では2019年4月に発表した中期経営計画2)にて、2021年度中に80000形を1本新造することを明らかにしている。この80000形は8000形最後の1本である8512編成の置き換え用である可能性が高く、そうなれば8000形は全廃、引退となる。8512編成の最終出場は2017年5月。年末年始などに休車させて検査周期の延長を図っているものの、来年度の早い段階で運用離脱するものと思われる。くぬぎ山のタヌキとして親しまれてきた8000形も、いよいよ終わりが近づいてきている。

  • 1)有価証券報告書 - 第177期(平成31年4月1日〜令和2年3月31日)
  • 2)中期経営計画「S4計画」(2019年度〜2021年度)
  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成3050形3052編成・3053編成 赤と青の京成カラーに変更

京成3050形3052編成と3053編成が赤と青の京成カラーに変更。京成本線に転用へ。京成電鉄では今年度の新車として3100形3153編成と3154編成を導入したところであるが、これに伴い...

京成3050形3052編成・3053編成 赤と青の京成カラーに変更
京成3400形3408編成 営業運転終了

京成3400形に初の廃車が発生。京成電鉄では今年度、新型車両となる3100形を2編成導入する予定となっているところだが、3153編成の導入に伴い3400形3408編成がこのほど運用を離脱、廃車に...

京成3400形3408編成 営業運転終了
京成3100形3153編成・3154編成 登場

7月上旬より、京成3100形の2次車にあたる3153編成と3154編成がお目見えしている。京成電鉄では、2020年度の予定として3100形8両編成2本の新造を計画していたが、3153編成と...

京成3100形3153編成・3154編成 登場
京成3600形3688編成 リバイバルカラーに

京成3600形3688編成がリバイバルカラーに! 7月31日、重要部検査のため入場していた3600形3688編成が出場し、宗吾参道〜八千代台にて試運転を行った。同編成は今回の重要部検査にあたり...

京成3600形3688編成 リバイバルカラーに
京成3600形3658編成 営業運転終了

京成3600形に廃車が発生。京成電鉄では今年度、新型車両となる3100形を2編成導入する予定となっているところだが、3154編成の導入に伴い3600形3658編成がこのほど運用を離脱。廃車と...

京成3600形3658編成 営業運転終了

最新記事

北総7500形 『鉄道むすめ』コラボヘッドマークを掲出

2人の「まきの」がコラボレーション。北総鉄道では、11月中旬から12月上旬にかけて、7500形7503編成において『鉄道むすめ』ヘッドマークの掲出を実施した。伊豆箱根鉄道とのコラボレーション企画...

北総7500形 『鉄道むすめ』コラボヘッドマークを掲出
東洋バス路線図 2024年12月1日版

当Webサイトでは2024年5月に「東洋バス路線図2024年5月1日版」を公開していたところであるが、本稿において約7ヶ月ぶりとなる改訂版を発行する。東洋バスでは12月1日に路線の改廃を含む...

東洋バス路線図 2024年12月1日版
北総線 西白井駅で『ウマ娘 プリティーダービー』特別装飾を実施

「ウマ娘」たちが北総線西白井駅を駆ける。北総鉄道では、10月中旬より西白井駅において『ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)』の特別装飾を実施している。『ウマ娘』とは、株式会社Cygames...

北総線 西白井駅で『ウマ娘 プリティーダービー』特別装飾を実施
「都営フェスタ2024 in浅草線」開催

5年ぶりの祭典。11月30日、東京都交通局馬込車両検修場で車両基地公開イベント「都営フェスタ2024 in浅草線」が開催された。三田線の志村車両検修場と交互で概ね2年に1度に開催されるイベント...

「都営フェスタ2024 in浅草線」開催
京成電鉄 モーニングライナー・イブニングライナーの特急料金を改定

京成線、モーニングライナーとイブニングライナーを実質値上げ。11月23日、京成電鉄では京成本線で運行している座席指定制の特急列車モーニングライナーとイブニングライナーの特急料金の改定を実施した...

京成電鉄 モーニングライナー・イブニングライナーの特急料金を改定