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2006.05.01

京成電鉄では、4月末より成田空港を発着する特急列車にて英語の案内放送の実施を開始した。早速、その英語の放送を録ってきたので、音声ファイルにてご紹介しよう。

ICレコーダーによる英語案内放送(ファイル1、成田空港行)

ICレコーダーによる英語案内放送(ファイル3、上野行。※設定ミスにより再生速度が速い)

放送の内容は成田空港行の列車と上野行の列車とで異なっており、成田空港行は成田空港第1ターミナルおよび第2ターミナルの下車駅に関してのもの、上野行は都心方面への乗換え案内についてのものとなっている。ファイル1は日暮里→青砥、船橋→京成津田沼、成田→空港第2ビルで、ファイル3は成田→公津の杜、京成津田沼→船橋、八幡→高砂で流すということになっているようである。このほかファイル2として成田空港利用客に対して成田で降りないよう注意喚起する内容の放送もある模様。英語の案内放送を行なうのは上野〜成田空港間を走る特急に限定されているようだが、車掌の判断によっては成田空港行の快速などでも行なわれている模様。

英語の案内放送というと車両側に自動放送用の機器を設置して行なわれる方法が一般的だが、京成では乗務員(車掌)に案内放送が記録されたICレコーダーを携帯させ、それを乗務員が操作して車内に音声を流すという方法を採用。ICレコーダーは市販のもの(Panasonic製)を採用して導入費用を抑えている。これを実施するにあたり、3000形や3700形、3400形、3600形の8両編成に対してICレコーダー接続箱なる機器が乗務員室内に新設された。ICレコーダー接続箱の役割は単純で、ICレコーダーを車両側の放送機器に繋げると同時に音声の入力をマイクとICレコーダーとで切り替えるためのものとなっている1)。このICレコーダー接続箱がないと英語放送が記録されているICレコーダーが繋げられないため、本来は英語の案内放送を行なうはずの列車でもICレコーダー接続箱の設置対象外である3500形では英語の案内放送を行なうことができない。

P01759.jpg

京成3400形 ICレコーダー接続箱
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▲乗務員室内の車掌側に設置されたICレコーダー接続箱。この機器にICレコーダーを接続し、英語による案内放送を行なう。箱の上から出ているオーディオケーブルを介してICレコーダーに接続する。右側から出ているカールコードはマイク

ちなみに、ICレコーダー接続箱とICレコーダーとの接続は3.5mmミニプラグのオーディオケーブルなので、3.5mmのミニプラグでの音声出力に対応した機器ならば何でも繋げられるものとみられる。例えばWalkmanやiPodなどのミュージックプレイヤーも繋げられるはずで、極端なことを言うと大音量のクラブ系ミュージックをドゥンドゥンいわせながら走るということも可能・・・のはず。このように仕組み自体はきわめて単純なので、将来的には英語の案内放送を充実させたりするなどいろいろな展開ができそうだ。

  • 1)入力切替スイッチのラベルはON/OFFとなっており、スイッチをONにするとICレコーダー側の入力となる。
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