2011.10.09
震災後の運行状況、その2。3月22日から施行された特別ダイヤである。
3月11日の地震の影響による東京電力管内の電力逼迫を受け、3月22日から特別ダイヤでの運行がスタートした。そのダイヤは震災臨時ダイヤとされ、本来のダイヤとは別立てのものが用意された。22日からの震災臨時ダイヤは、通常ダイヤの土休日のものをベースとして、シティライナーの終日運休と新京成線との直通運転中止が盛り込まれた内容になっていた。
この特別ダイヤでは、平日において本数の少ない土休日ダイヤをベースにしていることから、臨時の通勤特急高砂行を1本増発(6S94レ)、1本の快速特急羽田空港行(680Kレ)を特急に種別変更して運転するなど、朝のラッシュ時間帯に若干の手が加えられた。
6S94レ通勤特急高砂行は、本来高砂出庫である794レ普通上野行のスジを延長して宗吾参道出庫、成田始発としたもので、6S94レの高砂到着後は本来の794レ普通上野行に繋がる列車として運転された(そのため、臨時通勤特急の運行番号は本来の「95」にSを付けただけの「S95」となっている)。これにより、各所の入庫本数は変わらないの対して高砂出庫が1本減、宗吾出庫が1本増となったため、運用調整のため夜間に高砂発宗吾参道行の臨時回送21S35レがこのダイヤの期間中に毎日運転されていた。
千葉・千原線は通常ダイヤ分の本数の列車は確保されていたが、新京成線との直通運転を終日中止とした。このため、松戸行は全て京成津田沼行での運転となっている。新京成車で運転される列車は全て京成車での運転となり、6両編成3本が臨時の運行番号S01〜S05を用いて新京成車の代わりに運用に入った。
このほか京成車に関連したものでは、都営浅草線内で53K運行および57K運行に若干の変更が加えられた。753Kレが所定泉岳寺行のところ浅草橋行に、757Kレが同泉岳寺行のところ押上行として運転されている。これらはそれぞれ852Kレ、956Kaレに繋がるように折返し、元の行路に戻したものと思われる。
なお、このダイヤは4月3日まで使用された。4日から学生の新学期が始まることを考慮して平日ダイヤをベースとしたものとなるわけだが、土休日ダイヤをベースとした期間と学生が休みの期間に重なったことは、不幸中の幸いと言えるだろう。
◆ ◆ ◆
併せて、13日〜21日からの状況も記しておく。
前回の記事でお伝えしたように震災翌日の12日はダイヤがないような状態で運転されたが、翌13日はシティライナーを除いて通常運行に戻っており、首都圏の鉄道については早い段階で正常な状態に戻ると思われた。この時点で、翌々14日はシティライナーも含め全線で通常運行を行なうことが発表されていた。
しかし、状況は一変する。首都圏に電力を供給する東京電力の発電所等電力施設が震災によって影響を受け、安定した電力が供給することが期待できないことから、東京電力は計画停電の実施を発表。計画停電は14日から実施され、これにより首都圏の鉄道事業者も大きな影響を受けた。京成においても例外ではなく、14日の11〜14時など、計画停電により全線での運休を余儀なくされた。
首都圏の鉄道各社が安定して運転を行なえるようになったのは16日からで、東京電力が鉄道各社を計画停電の対象から列車本数を制限するなどの条件付きで外したためである。これを受けて京成では16日より土休日ダイヤ(ただし、シティライナーは運休、新京成線との直通運転中止)での運転、翌月曜の22日から本稿で取り上げた臨時ダイヤの設定へと繋がっている。
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