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2011.11.15

震災後の運行状況その3。4月4日から実施された特別ダイヤである。

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京成3600形 3688編成
2011.5.6/西 船

▲特急からの種別変更で通勤特急成田空港行として走る7A03。朝のラッシュ時間帯に下り通勤特急が設定されるのは初めてのこと

京成線では震災の発生以降、3月22日から土休日ダイヤをベースとした臨時ダイヤでの運行が続いていたが、4月4日より学校の新学期が始まるのに合わせる格好で震災臨時ダイヤNo.2という平日ダイヤをベースとした特別ダイヤでの運行が始まった。大まかな内容は以下のとおりとなっている。

  • スカイライナーとイブニングライナーの一部運休、シティライナーの全面運休
  • 朝ラッシュ時間帯、うすい発着列車の一部を大和田発着に変更
  • 朝ラッシュ時間帯、うすい〜ユーカリが丘間の徐行運転に伴う時刻変更
  • 日中時間帯、うすい発着の列車の半数を大和田発着に変更
  • 日中時間帯、津田沼発着の列車の半数を高砂発着に変更
  • 夕方〜夜間、上野〜高砂間の普通列車の一部運休
  • 夕方〜夜間、一部列車の運転区間短縮
  • 一部列車の種別を変更

終日にわたり減便が実施されている一方、朝ラッシュ時間帯の上り列車については極力減便を行なわずに輸送力を確保しているのがこのダイヤの特徴になっている。以下、より細かく変更された内容を見ていこう。

スカイライナー・シティライナー

スカイライナーは概ね2時間に1本が運休となった。AE07運行が運用まるごと運休になったほか、AE01運行とAE03運行、AE05運行は各行路の一部が運休になった。シティライナーは全て運休となり、AE100形の出番がなくなった。

朝ラッシュ時間帯

朝ラッシュ時間帯はうすい発着列車の一部を大和田発着とした。うすい行から大和田行に変更されたのは625と629、835の3本、うすい始発から大和田始発に変更されたのは612と718、724、834の4本である。835が大和田行に短縮されたことで大和田以遠の特急通過駅において列車の運転間隔が開いてしまうため、直前を走る7A03特急成田空港行の種別を通勤特急に変更し、列車の運休を救済した。

夕方〜夜間ラッシュ時間帯

夕方〜夜間においては、夕方ラッシュ時間帯に運転される上野〜高砂間の一部列車が運休になった。運休したのは上野発高砂行の1743、1843、1941、1943と、高砂発上野行の1746、1842、1840、1942の計8本。これらの運休列車の救済のため、17A09と18A17、19A05が高砂まで普通高砂行(19A05を除いて高砂から所定の快速として運転、19A05は高砂から運休)に変更されている。

このほか、1722を高砂始発、1738をうすい始発にそれぞれ変更。1693Kと1830を佐倉発着に、1747と1836をうすい発着に変更。これらの救済で1667Kと1917Tの種別を快速特急から特急に変更するなど、列車を適宜間引いた。

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京成3000形 3011編成
2011.5.16/江戸川

▲所定快速成田行のところ、佐倉までの運転に短縮された1695K。通常ダイヤでは見られない6両編成の快速佐倉行が登場した

以上、4月4日からの震災臨時ダイヤを簡単にまとめてみた。千葉・千原線と北総線などについては別途記事を掲載する予定である。この後、震災臨時ダイヤは5月9日、6月27日、9月10日に改正され、最終的にNo.5まで及ぶことになる。

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