2012.11.13
大手私鉄の看板車、その6は舞台を中京に移してみよう。中京地区の大手私鉄といえば、言わずもがな名鉄である。
2010年に引退した7700系である。7700形は名鉄では行先方向幕等を装備しない最後の形式で、貫通扉の「系統板」と呼ばれる行先看板と、正面向かって右側の標識灯上部の種別板を使用して走っていた。
7700系は晩年、専ら三河線ワンマン車として使用されており、普通列車での運転がほとんどで、種別板はほとんど「回送」でしか使用されなくなっていた。そんな中、2008年末に実施されたダイヤ改正において、なんと7700系の各務原線での急行運用が設定され、堂々と「急行」の種別板を掲げて走る7700系の姿を再び見ることができるようになった。引退間際とも言える時期での定期急行運用の復活、実に狙ったものとしか思えないのだが、真相ははてさて・・・。
7700系の引退によって、名鉄は事業用車両を除いて全て前面に行先表示器を持つ車両となった。現在、「系統板」はワンマン運転を行う線区で恒常的に使用されているほかは、イベント列車や沿線のイベント告知等、京阪の「副標識」と同じような位置付けとなっている。7700系の引退に際しては、最後の花道としてイラストとメッセージの入った行先板が掲出されたが、これは方向幕やLEDには真似のできない芸当である。
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