2013.01.05
関東の大手私鉄では唯一残存する看板車? 京成3500形である。
京成の通勤形車両で他社には見られない独特なものと言えば、正面貫通扉の種別表示であろうと思う。現在では幕式あるいはLED式の表示が主流となっているが、3500形の未更新車のみ、昔ながらの種別板が使われており、大手私鉄に残る数少ない看板車の1つとなっている。
京成で使われている種別板は、1つの箱に複数の板が収納されているような感じのものとなっている。車両に掲出する板と言えば単純に1枚の板になっているもの、あるいは複数の表示が必要な場合はいわゆるパタサボと呼ばれる形式のものが用いられることが多いので、このような看板は珍しいのかもしれない。箱の中には今でも六角形の「特急」や丸印の「急行」板も入っているが、種別板を使用している3500形は4両編成のみなので、これらを掲出して走る姿は現在見られない。定期的に使用されるのは「普通」とわずかの「回」のみであり、ごく稀に「試」が見られるぐらいである。
京成もその昔は、種別に関しては1枚モノの板を掲出していた。現在のタイプのものが使われるようになったのはいつ頃なのかと気になって雑誌や書籍をめくってみると、それはどうやら1970年代前半らしい。実に40年以上の歴史のあるシロモノということである。阪神5311形の引退や阪急3000系の廃車の進行で、大手私鉄からはますます数を減らしている看板車であるが、京成3500形においては2012年夏から残存する各編成が検査を通っているので、しばらくは安泰のように思われる。
(完)
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