2016.04.15
新京成8800形、30年目の進化。
昨年10月よりくぬぎ山車両基地に入場していた新京成8800形8803編成、工場でずいぶん長いこと作業していたと思ったら、このほど床下の機器類を一新して出場。8800形の登場30年目にして、機器更新車とも言えるリニューアル車両が登場した。
今回の8803編成の機器更新は、制御装置や主電動機などの交換を含む大掛かりなもので、制御装置は現時点で最新となるフルSiC適用のVVVFインバーターとなった。同世代の車両で同様の制御装置を搭載する小田急1000形や北神急行7000系でも制御装置の交換を含めた更新工事が実施され始めており、これらの動きに合わせたものと言える。
新しく搭載されたフルSiC適用のVVVFインバーターは8800形の従来のVVVFインバーターと同じく三菱電機製の1C4Mのものが採用されており、制御装置の交換は編成中の各モハに搭載された従来のVVVFインバーターをそのまま置換えた格好となっている。それにしても驚くべきは新型のVVVFインバーター、何たる小ささだろうか。新京成電鉄によれば、従来のVVVFインバーターと比較して体積・質量ともに約80%低減しているとのこと。新京成8800形は日本における直流1500Vの車両としてVVVFインバーター制御のパイオニアであり、その制御装置の交換は、それそのものがVVVFインバーターの進化を現している。
8803編成は2月上旬に出場、試運転を繰り返した後、2月29日より営業運転に入った。3月末に乗車した際に走行音を収録できたので、掲載する。
新京成8800形モハ8803-5 常盤平→五香
新京成8800形モハ8803-5 北初富→新鎌ヶ谷
◆ ◆ ◆
こうした機器更新工事を実施したことで、8800形オリジナルのVVVFインバーターもそろそろ寿命に近づいているものとみられる。したがって、8800形の機器更新は今後継続的に実施されていくものと思われるが、かつて実施された8000形のVVVFインバーター化改造の実績からすると、8800形の機器更新工事も年に1〜2編成といったところだろうか。N800形の新造ペースを踏まえると更新工事が全編成に及ぶかどうかは不透明だが、少なくとも8800形が新京成の最大勢力という状態はもうしばらく続きそうである。
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