KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2017.02.12

リスボンを走るケーブルカー、ビッカ線に続いてグロリア線をば。

X59534.jpg

リスボン グロリア線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲急坂を登るグロリア線のケーブルカー

リスボンの中心に位置するレスタウラドーレス広場の脇から、丘の上のバイロ・アルト地区へとあがっていくのがグロリア線のケーブルカーである。ちょうどポルトガル鉄道のロシオ駅の北側を走る格好で、同鉄道のロシオトンネルの上を抜けてサン・ロケ教会の裏手あたりが終点となる。ビッカ線のケーブルカーほど狭い道を走るわけではないため、車両はビッカ線よりも大きめのサイズのものが使用されている。ビッカ線の車両が坂道に合わせて車体自体が斜めにつくられているのに対し、こちらのグロリア線は車体が水平になっているタイプ。その独特のスタイルはなかなかのキワモノ感がある。

X59542.jpg

リスボン グロリア線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲車体が水平なケーブルカーなので、下から見るとなんとも言えない表情。落書きが酷いのはケーブルカーゆえに夜間もこの場所に車両を留置せざるを得ないため
X59537.jpg

リスボン グロリア線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲台車。水平な車体に対して車輪の踏面を急勾配に合わせているので、すごい形状をしている

小ぶりでかわいいビッカ線の車両と比べるとかわいげがないためか、観光客の姿はビッカ線よりまばらといった印象。ビッカ線のケーブルカーが完全に観光地化しているのに対して、こちらはよりゆったりと乗車を楽しむことができる雰囲気である。運賃はビッカ線と同じく1回の乗車で3.60ユーロだが、1日乗車券が使用できる。サンタ・ジュスタのリフトにも近いので、これらを組み合わせて散策するのも楽しいと思う。私はビッカ線→市電28番→サンタ・ジュスタのリフト→グロリア線というふうに乗り継いで、リスボンの個性的な乗りものを満喫したのであった。

X59546.jpg

リスボン グロリア線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲車内の様子。ビッカ線の車両と同じく車体はほとんどが木製。ニスのいい香りが漂ってくる
X59550.jpg

リスボン グロリア線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲シンプルな運転台。しかしケーブルカーを動かすのにこれらをどう使うのかよくわからん

このほか、ケーブルカーにはもう1つラヴラ線という路線があるが、こちらは乗る機会がなかった。

関連記事

ポルトガル周遊の記 15 - リスボン市電あれこれ(車両篇)

ポルトガルの旅もそろそろ終盤である。これまでポルトガルにおける様々な公共交通をご紹介してきたが、満を持して(?)リスボンの路面電車を取り上げる。​リスボン市電の存在を知ったのは、初めて海外に...

ポルトガル周遊の記 15 - リスボン市電あれこれ(車両篇)
ポルトガル周遊の記 13 - リスボンのケーブルカー ビッカ線

リスボンを走るケーブルカー、ビッカ線に乗る。ケーブルカーというと山の中を走っていて、山麓から山の中のある程度のところまで運んでくれる楽ちんな乗りものという印象があるが、リスボンのケーブルカーは...

ポルトガル周遊の記 13 - リスボンのケーブルカー ビッカ線
ポルトガル周遊の記 12 - リスボン市バスあれこれ

リスボンの公共交通あれこれ、地下鉄に続いては市バスを取り上げよう。リスボンの市バスはCarrisという公営企業体によって運営されている。車体は同じくCarrisによって運営されている路面電車と...

ポルトガル周遊の記 12 - リスボン市バスあれこれ
ポルトガル周遊の記 11 - アートな世界のリスボン地下鉄

ここからはポルトガルの首都リスボンの公共交通について取り上げていこうと思う。まずは地下鉄をば。リスボン地下鉄は2016年現在、4つの路線を運行している。以前の記事でご紹介したポルトメトロは...

ポルトガル周遊の記 11 - アートな世界のリスボン地下鉄
ポルトガル周遊の記 10 - シントラ&ロカ岬へのバス

シントラからヨーロッパ大陸最西端のロカ岬へ向かう。シントラからロカ岬へは路線バスを利用する。以前の記事でも記したように、ロカ岬へ向かう路線バスがシントラ〜ロカ岬〜カスカイスというふうに走っている...

ポルトガル周遊の記 10 - シントラ&ロカ岬へのバス

最新記事

2025.03.31

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

歴史の証人。まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを...

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

2025.03.28

京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

2025.03.24

京成3200形 営業運転開始

まさに「令和の赤電」。2月22日、京成電鉄の新型車両3200形デビューした。2024年度導入分の6両が、3204+06-05という編成を組んで6両編成として運用に入っている。遅ればせながら...

京成3200形 営業運転開始

2025.03.17

さようなら JR東日本E217系

さようなら、E217系。3月15日、JR各社を始めとした3月の全国的なダイヤ改正が実施された。列車や車両が新しく生まれ、または消えていく。そんな季節が今年もやってきた。JR東日本の横須賀・総武...

さようなら JR東日本E217系

2025.03.12

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化

京急600形と2100形、側面の行先表示器がLEDになる。京急600形と2100形で、側面の行先表示器のLED化が進んでいる。2024年10月下旬にLEDとなった602編成と607編成、2157...

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化