KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2018.05.22

祝・成田空港輸送40周年。

X70325.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲東成田駅に残る「成田空港」の駅名標。そう、ここはかつて成田空港駅だったのだ

​鉄道における空港輸送のパイオニアである京成電鉄では、2018年5月21日の東成田駅(旧成田空港駅)の開業40周年とともに成田空港輸送40周年を迎えることになった。これを記念して、5月20日、東成田駅にて「旧スカイライナー専用ホーム解禁イベント」を開催。普段は関係者以外が立ち入ることのできない施設がこの日限定で公開された。私もこのイベントに参加してきたので、その様子を簡単にレポートしよう。

まずは、東成田駅のことを簡単に説明する必要があろう。東成田駅は1978年5月21日に成田空港駅として開業。京成本線の成田方の新たな終着駅として、2面4線の設備を持つ駅であった。1991年3月19日に現在の成田空港駅が開業すると、元の成田空港駅は東成田に改称する。東成田駅となった旧成田空港駅は空港ターミナル駅としての役割を終えるのに合わせて規模が縮小され、2面あったホームのうちスカイライナー専用ホームとして使用されていた海側の1面を閉鎖。現在の東成田駅は山側の1面2線を営業用として、閉鎖された海側の2線を車両の夜間停泊などに使用する留置線として使用している。今回の解禁イベントは、1991年3月以来営業用としては使われていない海側の旧ホームを公開しようというものである。

X56500.jpg

京成線東成田駅 ホーム
2015.8.16/**

▲東成田駅のホームの様子(2015年8月撮影)。写真右手に真っ暗な空間が見えるが、これが今回公開される旧スカイライナー専用ホームである

東成田駅の旧ホームは、2016年2月のAE100形のさよなら運転や2017年2月の3500形未更新車のさよなら運転、2018年3月のAE形を使用したツアーの一環として参加者限定で開放したことはあるが、今回のような格好での一般公開は初めてになるという。とはいえ、ここは東成田・・・いくら貴重な機会と言えどもローカルで地味なイベントになるだろうと踏んでいた1)ところ、蓋を開けてみればまさかのまさかで大盛況。イベントが始まる10時の時点で約700人が列をなし、旧ホームへの入場証を兼ねた1000枚限定の記念ポストカードは約1時間で早々に捌けてしまうという人気っぷり。結局、入場券のみでも旧ホームの見学可という救済措置が発動することになったが、これは主催者側の予想を大きく超えた事態だったのではと思われる。

◆ ◆ ◆

以下、旧スカイライナー専用ホームの写真を適当に掲載する。

X70304.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲旧スカイライナー専用ホームの様子。1991年以降、営業用としては使用されておらず、サイン類や広告等はほとんど当時のまま残されている
X70295.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲方面の案内はシンプルに上野のみ。今となっては信じられないが、当時のスカイライナーは日暮里に停車する列車の方が少数派であった
X70309.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲旧ホームより成田方を望む。出発信号機の灯火やレールの輝きが、旧ホームが鉄道施設としては生きている証拠
X70318.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲当時のスカイライナーの広告もそのまま残っており、まるで自分がタイムスリップしたような感覚に陥る。広告の内容は「ようこそ日本へ」と「また会いましょう」を様々な言語で表記したものだが、これは現行のAE形にも受け継がれている
X70320.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲東武鉄道スペーシアの広告。これだけ電気が生きているようで、広告の中では唯一点灯状態にあった
X70333.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲AE形のお手洗いに関する案内。マジックペンでニュースカイライナーと書き加えられているが、これはAE100形のことである
X70345.jpg

京成線東成田駅 旧スカイライナー専用ホーム
2018.5.20/**

▲先代のAE形のデフォルメアイコンが印象的な案内サイン。まだAE形が成田空港輸送の主役の頃であった
X75026.jpg

東成田(旧成田空港)駅 記念ポストカード

▲配布された記念ポストカード
  • 1)このイベント開催の告知がわずか5日前だった上に、この日は京急電鉄にて「ファミリー鉄道フェスタ」、東武鉄道にて1800系のさよなら運転という比較的大きな鉄道イベントが被っており、人がある程度分散されることが予想された。

関連記事

京成線 日暮里駅ホームドアの動作状況を見る

2018年2月より使用している日暮里駅のホームドア。京成線としては初めてとなるホームドアだが、先日同駅を利用した際にその動作状況を少しばかり見てきたので、レポートしよう。昨今、特に利用者の多い...

京成線 日暮里駅ホームドアの動作状況を見る
京成線 真夜中の京成津田沼駅と津田沼車庫

時刻はまもなく丑三つ。そんな時間に京成津田沼駅に行ってみると・・・ 京成津田沼駅は言わずもがな、京成線では拠点となる駅のひとつ。千葉線と新京成線の接続駅であり、駅には車掌区も併設。列車によっては...

京成線 真夜中の京成津田沼駅と津田沼車庫
京成線の新デザイン駅名標 更新状況

2013年8月の曳舟駅上り線高架化を機に登場した、京成線の新デザイン駅名標。以降、駅舎の工事のついでや年度末の時期の予算消化的な感じで駅名標の更新が進んでいる。本稿は、そんな京成線の駅名標の...

京成線の新デザイン駅名標 更新状況
さようなら 京成線寛永寺坂駅舎

1953年2月に廃止となった京成線の寛永寺坂駅。その駅舎が63年の時を経ていよいよ解体へ・・・。寛永寺坂駅はかつて博物館動物園〜日暮里にあった駅である。1933年12月の上野〜日暮里間開通に伴い...

さようなら 京成線寛永寺坂駅舎
京成押上線 八広駅のパタパタ発車標

2016年現在、京成線で唯一使われている八広駅の反転フラップ式発車標。2001年9月の3番線ホーム使用開始に合わせて設置されたものだが、パタパタと小気味良い音を立てながら表示がめまぐるしく...

京成押上線 八広駅のパタパタ発車標

最新記事

2025.03.28

京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

2025.03.24

京成3200形 営業運転開始

まさに「令和の赤電」。2月22日、京成電鉄の新型車両3200形デビューした。2024年度導入分の6両が、3204+06-05という編成を組んで6両編成として運用に入っている。遅ればせながら...

京成3200形 営業運転開始

2025.03.17

さようなら JR東日本E217系

さようなら、E217系。3月15日、JR各社を始めとした3月の全国的なダイヤ改正が実施された。列車や車両が新しく生まれ、または消えていく。そんな季節が今年もやってきた。JR東日本の横須賀・総武...

さようなら JR東日本E217系

2025.03.12

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化

京急600形と2100形、側面の行先表示器がLEDになる。京急600形と2100形で、側面の行先表示器のLED化が進んでいる。2024年10月下旬にLEDとなった602編成と607編成、2157...

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化

2025.03.07

京成バス 車両番号の基礎知識 - 分離子会社編

京成バスおよびグループ各社では、車両に対して数字や英字を用いた番号を漏れなく付しており、これを車両番号(社番)として各車両の管理に使用している。当Webサイトでは2017年8月にも「京成バス...

京成バス 車両番号の基礎知識 - 分離子会社編