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2019.06.19

さようなら、京急800形。

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京急800形 823編成
2017.4.23/仲木戸

▲行き交う京急800形。6両編成22本が在籍したが、このほど最後まで残った823編成が引退し、形式が消滅した

京急800形が営業運転を終了した。一般営業での最終列車となったのは、6月14日の1719普通神奈川新町行。その後、16日には特別貸切列車「ありがとう800形」が品川〜久里浜工場間で運転され、有終の美を飾っている。800形は6両編成22本が在籍していたが、2011年度より801編成と803編成を皮切りに廃車が開始。そして、このほど最後まで残っていた823編成の引退により、41年の歴史に幕を閉じることとなった。

その独特な前面の表情から"だるま"と呼ばれた800形は、京急初となるワンハンドルマスコンや回生ブレーキ付界磁チョッパ制御、FRPを多用した室内など数々の新機軸の導入が評価され、1979年に鉄道友の会の「ローレル賞」を受賞している。他方、1灯の前照灯や片開き扉などを装備し、いわゆる日野原イズムの集大成と評されることもあった。800形の引退により、京急から消えるものを思いつくがままに挙げてみると、次のようになるだろうか。(*は事業用車両(デト)に残るもの)

  • 前面の方向幕
  • 右手ワンハンドルマスコン*
  • 1灯の前照灯*
  • 室内の扇風機*
  • 1C12M制御装置
  • 電動発電機(補助電源装置)
  • C2000M形コンプレッサー
  • ダイヤル式の行先表示設定器
  • 青色の座席*

15日の終電後には、800形の営業運転終了を待ってましたと言わんばかりに京急蒲田駅3番線にホームドアが設置されている。京急では京急川崎や横浜など主要駅にホームドアの整備を予定しているが、これまでホームドアが整備されたのは羽田空港国内線ターミナル駅や京急蒲田駅1・4番線など800形の入線範囲を避けていた。800形が700形に引き続き片側4ドアとして製造されたのは多くの乗客を短時間で捌くという時代的な要請があったためだが、その片側4ドアというスタイルが2010年代になってホームドア整備の弊害となってしまったのはなんとも残酷な話だ。時代の移り変わりとともに800形は去っていったのである。

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京急800形 807編成
2011.6.6/仲木戸

▲先に引退した2000形と。1980年代の京急を支えた両形式だが、2000形が快速特急用で華やかな役回りだったのに対し、800形は縁の下の力持ち的な存在だった
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京急800形 820編成
2010.5.15/品 川

▲急行列車として走る800形。晩年の姿から普通専用車と思われがちな800形だが、優等運用が設定されなかったのは1999〜2002年と2010年〜という全体から見ればわずかな期間のみ
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京急800形 815編成
2004.6.9/穴守稲荷

▲2002年10月ダイヤ改正では空港線絡みで800形の快特・特急が登場。一部は金沢文庫まで特急として走る列車もあった
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京急800形 運転台
2018.3.7/**

▲800形の運転台。右手ワンハンドルマスコンを採用したスッキリとしたレイアウトが特徴的
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京急800形 823編成
2018.11.13/京急鶴見

▲最後まで走ったリバイバルカラーの823編成。私としては写真でしか見たことがなかったオリジナル姿の800形が最後に見られたのは嬉しかった

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