2020.05.21
マイナーチェンジ仕様の京急新1000形、都営浅草線や京成線への直通運転を開始。
5月16日、73H運行に新1000形1225編成が充当した。2016年度より導入されているマイナーチェンジ仕様の新1000形(1177以降の編成)が都営浅草線や京成線に入線するのは今回が初めて。登場から3年半を経て、ようやく直通が解禁されたということのよう。
SiC-VVVFインバーターを搭載したマイナーチェンジ仕様
2002年度より導入されている新1000形だが、2016年度に登場したマイナーチェンジ仕様は制御装置にフルSiC適用のVVVFインバーターを採用するなど、これまでの新1000形をベースに最新の機器類を取り入れた車両になった。仕様の変更のあるマイナーチェンジ車両ということで2016年11月より京急線内限定(品川まで)で運用を開始。マイナーチェンジされたと言えども新1000形であることには変わらないので、この時点では最初の新1000形や6次車(ステンレス車)のように段階を経て直通運用に就くものと思われた。
ところが、いつまで経っても直通しなかった。2000形を置き換えた車両とは言え、まさか登場から3年以上も線内限定になるとはという感じである。2017年9月に運用の範囲が泉岳寺まで1駅だけ拡大したが、自社線内限定という点は変わらなかった。それ以降も特に動きはなく、直通可能な仕様であるにもかかわらず、マイナーチェンジ車両は日中運用においては横浜方面のエアポート急行かA快特の代走という役回りに甘んじていた。
晴れて直通運用へ
前述のとおり1225編成が5月16日の73H運行に充当。673Hレにてマイナーチェンジ車両が晴れて泉岳寺以北に入り、都営浅草線と京成線への初入線を果たした。16日の1225編成を皮切りに、各編成とも続々と直通運用に入っている。19日には1217編成が63H運行の1863Hレ〜2162Hレで北総線にも入線した。
1177編成と1185編成はまだ直通運用への充当はないが、運用制限の際に運転台に貼られていた注意書きのテプラ2)が1201以降の編成と同様に剥がされているので、これらの編成の泉岳寺以北への入線も時間の問題と思われる。ただし、1201以降の編成においても各編成とも運用途中での車両交換が相次いでいる1)ようなので、完全な直通開始はまだ、今のところは様子見といった段階だろうか。
1001編成は限定運用を継続
新1000形でSiC適用のVVVFインバーターを搭載しているのは、前述のマイナーチェンジ車両のほかに、車体更新の際にシーメンス製VVVFインバーターから換装した1001編成がある。1001編成は品川までというマイナーチェンジ仕様の編成よりもさらに厳しい運用制限がかけられているが、今回マイナーチェンジ車両が泉岳寺以北への入線を開始したのに対し、1001編成は依然として品川までの限定運用のままとなっている。
細かい事情はよく分からないが、泉岳寺にすら入れないところを見るにつけ、同編成の他社局線への直通開始にはまだまだ時間がかかりそうな雰囲気だ。
- 1)そもそも16日の1225編成が所定外の動きであった。51H運行に充当していた601編成にトラブルがあった模様で、この影響により1225編成は572Hレの京急久里浜から73H運行に入った。
- 2)1177以降の編成には運転台に「自社線限定運用(泉岳寺まで)」と書かれたテプラが貼ってあった。
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