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2021.04.18

半世紀ぶりの大変革。

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京成3000形 SRアンテナ
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▲SR無線用のアンテナを搭載した京成3000形。先頭部屋根上のグレーの突起物がそれ
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北総7800形 SR簡易モニター
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▲電源が入ったSR無線用の簡易モニター。メニュー画面には、乗務員支援、運行情報などの項目が並ぶ。SR無線では文字情報を配信できるようになるため、それをこのモニターで表示するものとみられる
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北総7800形 SR車上操作器
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▲こちらも電源が入ったSR無線用の操作器。写真は北総車が京成線内でIR無線を使用しているところ

4月17日、京成線と北総線において始発列車よりデジタルSR列車無線(SR無線)の使用が開始された。SR無線を使用する区間は、京成線全線(北総線と重複する区間を除く)と北総線全線、ならびに京成が運行を担当する芝山鉄道線となっている。なお、SR無線に対応していない車両などのために、従来のIR無線(アナログ無線)も引き続き使用する。

現時点で実際にSR無線を使用しているのは、アンテナなどの本設工事を終えてSR無線に対応した自社の車両のみとなっている模様である。SR無線の工事を終えていないなどで非対応となっている車両は当然のことながら従来のIR無線を使用するとして、他社局の車両はSR無線に対応していてもIR無線を使用している。

京成車と北総車もSR無線を使うのは今のところ自社線内のみに限られているようで、北総線内を走る京成車と京成線内を走る北総車はいずれもSR無線を使用していない。京成成田スカイアクセス線を走る京成車については、SR無線を使うのは印旛日本医大〜成田空港のみ。成田スカイアクセス線を走る京成車にとっては北総線と重複する京成高砂〜印旛日本医大は自社線でもあるものの、この区間の列車無線は北総管轄のためIR無線を使用する。

プレスリリースによれば今後も車両に対するSR無線工事を進め、順次使用を開始するとしている。京成車でSR無線の工事が進んでいるのはAE形と3100形、3000形(3050形含む)、3700形で、古参組の3600形と3400形、3500形については今のところ動きは見られない。SR無線に対応するかどうかはその車両を今後も使うかどうかにかかわってくるだろうから、特に後者の3形式に対してSR無線に対応するのかしないのか気になるところだ。

◆ ◆ ◆

ある列車に乗車中、たまたま乗務員室から漏れてくるデジタルSR無線の音を聞くことができた。聞こえてきたのは四万十川の清流のようなクリアな音! 雑音まじりのIR無線とは雲泥の差である。乗務員の列車無線に対するストレスは軽減されることであろう。ひいては保安度の向上につながるはず。京成線で列車無線が開始されたのは1969年10月とのことなので、デジタルSR無線の導入は半世紀ぶりの大変革と言える。

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