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2021.11.26

11月4日、京成電鉄は2021年度の鉄道事業設備投資計画1)を発表した。これを読んで、同社の今後の動きを探ってみよう。

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京成3150形 3151編成
2021.1.26/四ツ木

▲2019年度に17年ぶりの新型車両としてデビューした3100形。今年度も8両編成2本が導入されている
昨年に引き続き半年遅れの計画発表

例年は5月中旬頃に発表されている京成の鉄道事業設備投資計画だが、今年度も昨年度に引き続き大幅に遅れて11月中の発表となった。投資額は156億円で、昨年度(176億円)以上に低調。新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く反映される格好になっている。

車両関連 - 3100形を導入 ほか

車両についての内容は以下のとおりである。

  • 3100形を導入(8両編成2本)
  • デジタル列車無線の車上設置工事を推進
  • など

車両については、3100形8両編成2本を導入した。3156編成が9月末より、3155編成が11月中旬よりそれぞれ営業運転開始済である。3100形は来年度にも1編成が導入される予定で、アクセス特急専用の車両が3100形に統一される。

4月中旬より一部の車両を対象に使用が開始されたデジタル列車無線(デジタルSR無線)は、未対応となっている車両に対する対応工事を引き続き実施する。対応工事はこれまで一切工事が行われてこなかった3500形にも及んでおり、新たな展開を見せている。デジタルSR無線への対応いかんでその車両が2023年度以降も走るかどうか決まる2)と思われるので、今後の車両の動きを占う上でも無線対応工事の動向はしっかりとおさえておきたいところ。また、文字情報を配信可能とするための追加工事も行われるとのことである。

駅・設備関連 - 千葉中央駅をリニューアル ほか

続いて駅・設備関連を見てみよう。

  • 駅施設リニューアル(京成大久保、西登戸、千葉中央)
  • 駅バリアフリー化(菅野)
  • 耐震改修(京成大久保駅舎、千葉中央〜千葉寺間高架)、法面補強
  • 京成立石駅付近の連続立体交差工事(四ツ木〜青砥)の推進
  • 京成本線荒川橋梁架替工事(関屋〜堀切菖蒲園)の推進
  • など
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千葉中央駅 改札
2021.11.25/**

▲西口ビルの建替えに合わせてリニューアルされた千葉中央駅。内装が一新され、シックで落ち着いた雰囲気の空間に生まれ変わっている
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京成本線 荒川橋梁架替事業

▲来年度の工事着手に向けて準備が進む京成本線荒川橋梁架替事業(画像は国土交通省より)

駅舎のリニューアルについては、千葉中央が西口ビルの建替えに合わせて実施中。西登戸は9月末より下りホーム側に新設した駅舎の使用が開始され、合わせて上りホーム側の駅舎を閉鎖。建替え工事が始まる予定である。京成大久保の駅舎建替えは昨年度に引き続き絶賛工事中。

菅野のバリアフリー化工事は今年度中に完了予定となっている。駅の構造上バリアフリー化が遅れていた同駅だが、駅舎を新築することでバリアフリー化を実現させた。新駅舎は外環に合わせて新設された歩道橋とも連結予定で、駅前広場の整備など同駅周辺の利便性の向上も図られる。

初出なのは、京成本線荒川橋梁架替工事。国土交通省や東京都などでは既に広報されているが、来年度の工事着手に向けて用地取得などの準備が進められている。荒川橋梁付近の堤防の高さは周辺の堤防より最大で3.7m低くなっており、増水時に堤防決壊の危険性が生じるなど、荒川における治水対策上の大きな問題となっている。橋梁の架替えは、堤防改修事業の一環として行われるものである。

このほか、実籾〜八千代台の旧実籾4号踏切付近の大カーブで曲線緩和のための線路移設工事が進められている。移設の手順は高架化工事における線路切り替えと同じように、下り新線工事→下り線移設→上り新線工事→上り線移設というふうになるものみられるが、工事現場には既に新下り線で使用されるPC枕木の姿もあり、下り線については来年度にも曲線緩和した新線に切り替えできそうな雰囲気。現在、当該のカーブは75km/h制限により減速を強いられているが、曲線緩和による速度制限緩和でスピードアップや乗り心地の改善が期待できる。

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京成本線 実籾〜八千代台間改良

▲京成本線旧実籾4号踏切付近の線形改良のイメージ。線路を北側に移設し、曲線の緩和が行われる(筆者作成)

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