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2022.06.09

平日深夜に運転されていた快速神奈川新町行。

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京急1000形 1177編成
2021.10.29/青 砥

▲2022年2月まで快速神奈川新町行として運転していた平日2386H。京成線から神奈川新町行が運転されるのは、2013年10月まで走っていた644T以来9年ぶりのこと
  • [平日]2386H 快速神奈川新町
  • 始発:青 砥2318 → 終着:神奈川新町2412
  • ダイヤ:2021.3.27変更
  • 備考:押上から特急

平日2386Hは、かつて平日深夜に運転されていた快速神奈川新町行である。快速神奈川新町行が定期列車として走るのは、2002年10月ダイヤ改正で現行の快速が設定されてから初めてのこと。1日1本のみということも含めてたいへん珍しい列車だった。

2386Hはもともと快速羽田空港行だったが、2021年3月に実施されたダイヤ変更で神奈川新町行として運転されるようになった。このダイヤ変更では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う深夜時間帯の利用状況が変化や、夜間における保守作業時間の確保などを目的とした終電の繰り上げを実施。夜間を中心に列車の行先変更や運転区間短縮が行われた。その中で、京急としては単に都営浅草線からのエアポート急行羽田空港行を特急神奈川新町行に変更しただけだったが、よりによってそれは京成線内で快速運転を行う列車だった。そんなわけで、快速神奈川新町行は誕生してしまったのである。

羽田空港行が神奈川新町行に変更されたのは、ダイヤ変更におけるダイヤの組み立ての中で生じた京急側の都合である。一方、押上まで快速で運転されるのは京成側の都合だ。2386Hは京成と京急のそれぞれの事情が組み合わさってできた、まさに相互直通運転の面白さを体現した珍列車と言えよう。

そんな快速神奈川新町行だが、2022年2月ダイヤ改正で種別が特急に変更されたため、見られなくなっている。わずか11ヶ月だけの珍列車だった。

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