2014.07.28
急にどうした、新京成。
それは5月末のことであったが、新京成電鉄は「『シンボルマーク』と『スローガン』が新しくなります」というプレスリリースを出した。新津田沼〜京成津田沼間のくねくね線形をモチーフにした新シンボルマークや新スローガンの制定のほか、ジェントルピンクとニューマルーンと名付けられた新しいコーポレートカラーも決められており、まさにコーポレートアイデンティティ(CI)の一新である。6月より順次、駅や車両などに新CIが展開されており、現在進行形で新京成のイメージが新しいものに変わりつつある。
最近の新京成と言えば、乗車人員の減少やそれに伴う編成両数の減少等々、暗い話題を語られることのほうが多かったように感じているのだが、今回の新CI制定はそういったネガティブなイメージを払拭したいという思惑もあったのだろうと想像する。
駅への展開
駅名標および駅入口の看板が新デザインのものとなっている。京成のように案内サイン全体を一新するのかと思いきや、現時点で駅名標と駅入口の看板以外は従来のものがそのまま使用されており、古いものと新しいもの混在している状態である。ともかく旧来の茶色の部分だけでも先に一掃してしまいたかったと見えるのだが、7月末時点で一部の駅(特に島式ホームの駅)では旧デザインの駅名標も残る。新しいデザインの駅入口の看板は、親会社である京成の新デザイン案内サインのデザインを踏襲しており、京成のものを基本として新京成の新コーポレートカラーに合わせたものとなった(要は京成の色違い)。よって、使用されているフォントは和文がイワタUDゴシック、欧文がDINとなっている。前述のように案内サイン全体はまだ古いままだが、これも新しくなるとすれば京成の色違いになる可能性が濃厚だろう。
一方で、駅名標は新京成オリジナルのデザインとなった。駅ナンバリングの処理が京成のものに似ているので、一見するとこれも京成の色違いに見えるが、京成の新デザイン駅名標の最大の特徴である駅名の文字の進行方向側の揃えではなく、新京成のものは中央揃えとなっており、別物。隣の駅を示す矢印の処理も異なる。駅名標はまさしく駅の看板であるから、ここだけは京成の色違いにすることはなく、新京成としてこだわった部分であろうか。
車両への展開
6月より順次、車体に新シンボルマークが貼付された。これだけで終わりかと思いきや、7月中旬のプレスリリースにおいて車両デザインの一新が発表され、びっくり仰天である。やはりコーポレートカラーとなっているジェントルピンクを使用した完全なる新塗装であり、新京成の本気度が伺えよう。従来の、クリーム色に茶色帯の電車に慣れ親しんできた人々には残念な話題かもしれない。一方、新塗装の良し悪しはさておき、新CIによるブランドイメージ統一の戦略としては徹底しており、好感がもてるところである。新塗装第一号となる8800形が8月29日から営業運転に入ることが予告されているが、これは現在入場している8816編成となる見込みである。次いで新塗装となるのは、6連化改造を行っているという8900形8918編成だろうか。以後、検査入場に合わせて塗装変更を実施していき、4年後には現行塗装は消滅となろう。
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