2014.09.29
一時代の終焉。

新京成8900形 8938編成
2011.8.30/薬園台〜前原
新京成電鉄では、9月29日をもって8両編成の運行が終了となった。2011年度より実施されている8連に対する6連化改造がいよいよ完了するためで、1982年10月より約32年間走った8両編成の列車が消滅することとなった。最後の8両編成での列車となったのは松戸8時5分始発くぬぎ山行第703列車で、編成は最後の8連となっている8938編成であった。翌30日から、新京成線は全列車が6連で運行されることになる。
最後まで8両で残っていた8938編成は既にくぬぎ山車両基地で6連化への作業が始まっている様子。8938編成が6連となった後の車両の陣容は、2010年7月時点(800形引退後)の8連12本+6連14本計180両から6連26本156両になる。編成の本数は計26本のままだが、ダイヤ上では2010年7月改正のダイヤで8連11本+6連12本使用だったものが6連のみ23本使用となり、予備が8連1本+6連2本だったものが6連3本になっているので、編成両数の統一により実質的に車両運用に若干の余裕が生まれている。車両運用がやや(かなり?)カツカツになるものの予備を2本に減らすことも可能であると思われ、もしかしたら代替となる車両の新造なく8000形がもう1本廃車になることもあるだろうか。
◆ ◆ ◆
新京成における全列車6連化の目的は次のように考えられる。
- 保有車両削減により車両を新造することなく古い車両が淘汰できる(8000形抵抗制御車や非VVVF車の廃車)
- 設備のコンパクト化による全体的な経費の削減
- 将来的にホームドアなどの保安設備を導入しなければならなくなった際の費用の抑制
当然ながら編成の短縮は鉄道会社にとっても乗客にとってもネガティヴな事案だけに、新京成における全列車の6両化は極めて大きな決断であったことは想像に難くない。一方で、8両編成の復活の可能性はありえないにしても列車の増発自体は可能であることと、6連化が将来の保安度向上に対する準備を含んでいるものと思えば、必ずしもネガティヴな理由だけで全列車の6両化に踏み切ったものではないとも言えそうである。現状をしっかりと見つめた上で、将来を見据えた判断だったということなのだろう。
関連記事
新京成8900形 6連化改造
8900形もついに6連化。8900形の6連化改造第1号となったのは8918編成であった。中間車のサハ2両を抜いたほかにVVVFインバーターの更新等を実施、9月2日より1週間ほど試運転の後...
新京成電鉄 新車両デザイン電車登場
新時代の新京成の幕開け。かねてよりプレスリリースで発表されていた新京成の新車両デザイン電車だが、このほど実車が登場し、8月29日より営業運転を行っている。新車両デザインの第一号となったのは...
新京成電鉄 新CI&新デザイン駅名標
急にどうした、新京成。それは5月末のことであったが、新京成電鉄は「『シンボルマーク』と『スローガン』が新しくなります」というプレスリリースを出した。新津田沼〜京成津田沼間のくねくね線形を...
さようなら 新京成8800形8両編成
どんどん進む8800形の6連化改造。2006年度に3編成、2011年度から毎年3編成ずつ実施されてきた新京成8800形の6連化改造だが、いよいよ終わりが見えてきた。2013年度は8両編成として...
新京成8800形 6両編成化改造
新京成8800形の6両編成化、再び。8月24日より8805編成が6両編成として運用を開始している。8800形については、鉄道趣味誌において関係者へのインタビューで2013年度までの全車6両編成化改造が...
最新記事
2025.02.15
新京成8800形8813編成 復刻塗装電車(オリジナル色)が登場
千葉線直通色に続いて旧塗装「茶帯」の8800形も復活! 4月にも京成に吸収合併され、会社の解散を予定している新京成電鉄。N800形と8800形で「お客さまに当社の歴史を振り返り、懐かしさを感じて...
2025.02.10
京成線 4両編成の現況(2025年)
京成線の4両編成の今。京成線にわずかに残る4両編成。弊サイトでは2020年12月にもその運用状況をレポートしたところだが、2022年11月ダイヤ改正におけるワンマン運転開始や新型車両3200形の...
2025.02.05
京成バスシステムKS-7602号車 三菱ふそうエアロスターPJ-MP37JM
1台だけのエアロスター。京成バスシステムKS-7602号車は、2006年式の三菱ふそうエアロスター(PJ-MP37JM)である。俗に「ペタノン」などと言われる独特なスタイルを持つエアロスターの...
- 京成バス
- タグはありません
2025.01.31
新京成N800形 「マイメモリーズトレイン」運転
新京成の78年間の思い出を乗せて。4月1日に予定されている京成電鉄への合併により、まもなく終焉を迎えようとしている新京成電鉄。車両に掲示されているコーポレートロゴが消えたり、駅の案内サインが京成...
2025.01.26
京成AE形 臨時シティライナー「成田山開運号」運転(2025年)
毎年恒例、臨時シティライナー「成田山開運号」。京成電鉄では、臨時シティライナー「成田山開運号」を、大晦日〜翌元日に実施される終夜運転および1月の土休日ダイヤ実施日において運転した。成田山新勝寺へ...