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エトセトラ

2019.12.31

2019年がまもなく終わろうとしている。というわけで、「2019年四直界隈10大ニュース」と題して2019年に都営浅草線を筆頭とした京成線、京急線、北総線のいわゆる四直界隈で起こったできごとを、当Webサイトで扱いきれなかったものも含めてまとめてみた。なお、10大ニュースの選定については筆者の趣味や嗜好、独断、偏見に満ち溢れているが、異論はいっさい受け付けませんっ(ぉ

京急2100形が都営浅草線で初の営業運転(1月)
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京急2100形 2149編成
2019.1.1/東日本橋

▲2019年の四直は、2100形が都営浅草線を走るという事件から始まった

2019年の四直は、2100形が都営浅草線を走るという大事件1)から始まった。終夜運転において2149編成が464H浅草橋発特急三崎口行「初日号」に充当し、2100形が初めて都営浅草線で営業運転を行った。2100形は都営浅草線への直通運転を考慮した設計となっていたが、2ドアであることが影響してこれまで乗入れは実現していなかった。2100形の登場から21年の時を経て、その悲願がひとまず達成されたのであった。

なお、今夜の終夜運転においても、昨年と同じく浅草橋始発の「初日号」に2100形が充当されることが明らかになっている。今のところ2100形の都営浅草線乗入れは終夜運転だけとなっているが、これはこれで毎年恒例の特別行事になりそうだ。

イニエスタが四ツ木駅に現る(3月)

ここのところ鉄道事業者では駅で何かやるというのが流行っている。四直各線においても京急の京急リラッ久里浜京急かぁまたたたたーっをはじめとして、京成でも母の日に合わせた市川ママ海神駅100周年の記念装飾を実施した。

その中でも、群を抜いて気合が入っていたのが四ツ木駅の『キャプテン翼』だ。コンコースの壁や天井を全てラッピングした特別装飾もさることながら、記念式典にゲストとして現れたのはヴィッセル神戸所属のプロサッカー選手、アンドレス・イニエスタ。FCバルセロナやスペイン代表でプレーしていた世界的スーパースターが四ツ木に来てくれたことは、間違いなく2019年のビッグニュースの1つであろう。

京急800形が引退(6月)
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京急800形 823編成
2018.11.13/京急鶴見

▲最後まで残った823編成は2016年11月よりリバイバルカラーとして走った

6月中旬、京急800形で最後まで残っていた823編成が運用離脱し、800形が引退した。800形の引退に際しては、6月16日に特別貸切列車「ありがとう800形」が品川→久里浜工場信号所で運転され、これが最後の運行になった。

高加減速が可能な4ドア車両である800形は、1980年代における輸送改善の切り札として登場。前面の独特なスタイルから、ダルマという愛称で親しまれた。しかし、時代は移り変わり、ホームドアを整備するにあたってその4ドアという特徴が仇になってしまった。800形が2018年度から今年にかけて6両編成8本がたたみかけるように廃車になったのは、ホームドア整備に伴うものとみて間違いあるまい。時代の要請から生まれた800形は、時代の要請により終わりを迎えることになった。

京成3100形(3150形)が登場(7月)
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京急3150形 3152編成
2019.9.21/公津の杜

▲デビューに向けて試運転を行う3100形

かねてより登場することが告知されていた16年ぶりの新型車両3100形がついに姿を現した。最初に登場したのは総合車両製作所(J-TREC)製の3152編成で、7月24日より金沢八景から宗吾車両基地に回送され、牽引役である3600形の京急入線とともに大きな注目を集めた。営業運転に向けた試運転では、8両編成にもかかわらず千葉線に入線したのも特筆されるできごとだった。

3100形のコンセプトは「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」。3000形をベースにしたとみられる車両構成や機器類に対し、車内はハイバックシートや折り畳み座席を活用した荷物置き場などの新機軸を採用した。おまけにドアはステンレスむき出しでなくなっているし、LCDは各ドアの上部に2つずつ設置されているしで、なんせ3000形がああいう車両だったもんだから、それだけでもいちいち感動してしまう。そのLCDにも一丁前に広告が流れているのだから驚くわけである。京成も立派になったものだなあと涙を禁じ得なかったのである(何様)

京急線、神奈川新町〜仲木戸における踏切脱線事故(9月)

9月5日11時40分ごろ、京急線の神奈川新町〜仲木戸間で列車が踏切内に侵入していた大型トラックに衝突し、脱線事故が発生した。事故の当該となったのは青砥始発の1088SH快特三崎口行で、編成は新1000形1137編成であった。1137編成は大型トラックを引きずる形で3両目までが脱線。神奈川新町駅構内の分岐器や架線柱などが破壊されたことから復旧作業も大がかりなものとなり、この区間の運転が再開されたのは7日の13時ごろであった。

事故の原因については、これまでに報道などで伝えられているところによれば、踏切の特殊信号発光機(特発)が列車からきちんと視認できる位置に設置されていたか、運転士は適切にブレーキを扱っていたか、の2点に集約してきたように思う。大型トラックは踏切が鳴る前から立ち往生していたようなので、適切な処置がなされていれば列車は踏切手前で停止できていたはずだからだ。

そこらへんの細かいところは運輸安全委員会の調査報告待ちとなろうが、利用者としてはやはり対策をしっかりとやってもらいたいということに尽きよう。私もあの区間は2100形などの1番前の座席、いわゆる展望席を利用することもあるので、ニュースで事故の様子を見たときはゾッとしたものである。もちろん、事故のきっかけを作ったのは踏切内に進入してしまったトラックであることは間違いないのだが、防げるはずの事故を起こしてしまった京急の責任は重い。京浜間の120km/h運転やアクロバティックと称されるダイヤも、全ては安全があってこそなのだ。

新京成80000形が登場(10月)

3100形に続いて、3100形と共同設計車両である新京成80000形もお目見えした。試運転や試乗会の後、12月27日より営業運転に入っている。

80000形で大きな話題となったのは、その輸送方法であろう。豊川から越谷貨物ターミナルまでの甲種輸送の後、北総鉄道の印旛車両基地まで陸送。問題はその後だ。くぬぎ山車両基地までの輸送はN800形による牽引とされ、80000形2両をN800形の中間に組み込むような編成を組成して実施された。くぬぎ山車両基地への回送は10月13日と14日、22日の終電後に行われたが、牽引役となるN800形の印旛車両基地への送り込みも同時に走った日があったため、深夜の京成高砂駅で2本のN800形が並ぶという珍場面も見られた。

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新京成N800形 N828編成
2019.10.14/京成津田沼

▲京成津田沼駅に停車中の80000形輸送の回送列車。新京成線で久しぶりに8両編成が走った
京成AE形が千葉線に入線(10月)

10月20日、AE形を使用した「スカイライナーミステリーツアー」が京成トラベルサービス主催のツアーとして催行された。ミステリーツアーと題しているとおり運行経路は当日のお楽しみとされていたが、蓋を開けてみればAE形が向かった先はまさかの押上線と千葉線。両線ともAE形が入線するのは初めてのことで、普段走行しないルートを特別運行というツアーの触れ込みどおりの内容となった。この日のAE形の運行経路(AE61運行):宗吾参道○→上野→高砂→八広→千葉中央→上野→宗吾参道△(※客扱いは上野〜上野)

特に、8両編成の特急型車両であるAE形が千葉線に入線するというのは異例中の異例なできごと。ミステリーツアーを成立させるために、試運転なしのぶっつけ本番で運転されたというのも凄い話である。よくGOサインが出たものだと思う。まさに歴史的なできごとと言ってよいだろう。

そんな歴史的な光景はぜひこの目で見ておかねば、と思ったものの残念ながら私はその日の都合が合わずにさようなら〜(涙) AE形が千葉線に踏み入れた瞬間に私は何をしていたかというと、旅行先のワルシャワで優雅な朝食をキメていたのでござる。

ダイヤ改正(10月)

10月26日にダイヤ改正が実施された。四直の中でも最も大きなダイヤ改正となったのは京成で、当Webサイトでも再三にわたりお伝えしたようにスカイライナーの大増発を実施。また、日中時間帯の快速特急の設定や快速の行先変更など、京成本線にも大きな変化が生じることになった。新型車両3100形もこのダイヤ改正に合わせて営業運転を開始。さらに、従来より使用されてきた3050形も、3100形に合わせたオレンジ色へのイメージチェンジが行われている。

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京成AE形 AE2編成
2011.3.11/大 町

▲大増発が実施され、終日にわたり20分間隔での運転となったスカイライナー。8月にはAE9編成も登場

京急においては、モーニング・ウィング号の増発と土休日の日中時間帯における一部のA快特で座席指定「ウィング・シート」サービスを開始。近年、各鉄道事業者で拡大傾向にある座席指定サービスのさらなる拡充を図った。ところが、「ウィング・シート」は座席指定券(Wing Ticket)が専用のWebサイトでしか購入できないなどの事情から、今のところガラガラであるというような評判が伝わってくる。そこらへんのことを含めて、いっぺん試乗してみてその様子をレポートできればと思う。

京急1500形が成田スカイアクセス線を走る(12月)

12月以降、1500形がアクセス運用に充当するようになっている。京急車については列車無線のデジタルSR化に伴う車上情報管理装置の設置により、2018年7月より従来は600形と新1000形10次車以降(1121以降の編成)に限定されてきた京成本線・成田スカイアクセス線への乗入れが解禁。しかし、1500形だけはどういうわけか依然として成田スカイアクセス線への入線が不可とされてきた。その最たる事例は2018年7月2日の71H運行で、1707編成が成田スカイアクセス線直通の成田空港行として走るものの高砂で車両交換させられて、高砂〜成田空港のみを3050形が代走するというようなことも起きていた。

これまでに1500形が成田スカイアクセス線を走ったのは、2013年12月13日にダイヤ乱れのどさくさに紛れる形で入線した1回のみ。しかし、12月1日に1725編成が1500形の6年ぶりの成田スカイアクセス線入線を果たすと、その後は何ごともなかったように1500形がアクセス運用として入ってきている。詳しい経緯はよくわからないけれど、とにかく1500形の成田スカイアクセス線入線NGは解かれたものと見てよいのだろう。

京成3500形と芝山鉄道3500形の混結編成が出現(12月)

12月16日と17日の2日間、京成3500形と芝山鉄道3500形の混結編成が走った。編成は、上野方より3540-39-37-36+22-21という6両編成。2013年4月に芝山鉄道所属となった3540編成は一貫して4両編成単独で運用されてきており、今回初めて京成車との混結が実現することになった。

原因は単純に編成不足だった模様。10月末に3638編成が廃止されて6両編成が減っている中で、入場や故障が重なって使える編成がいなくなってしまったということのよう。3500形の4両編成を使って6両編成を組成しようとするも、その時に宗吾車両基地にいたのは3524編成と3540編成だけだった。さらに運が悪いことに、高砂検車区で予備となっていた3536編成は翌日の異常時総合訓練2)に使用されたため、使うことができなかった。この訓練がなければ3536編成を宗吾車両基地に臨時回送して3524編成との6両編成を組むこともできたのだろうが、結果的にそうにはならず、混結編成が走るに至った。

混結編成は16日の1846より運用に入り、その日は高砂に入庫して終了。翌17日は45運行に充当し、午前中に宗吾車両基地に入庫。編成は入庫後すぐに分割された模様で、混結編成は早々に解消されている。

◆ ◆ ◆

こうして振り返ってみると、2019年の四直は例年になく大きなできごとが起こった年だったように思う。年号も「平成」から「令和」に変わり、新しい時代を感じさせてくれるできごともたくさんあった。

来年にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えている。2020年ははたしてどういった年になるだろうか。

  • 1)2100形の都営浅草線入線自体は、2011年の「都営交通100周年記念フェスタ in浅草線」、この「初日号」充当に先立って実施された試運転以来3回目となる。また、11月16日に開催された「都営フェスタ2019 in 浅草線」でも再び入線した。
  • 2)異常時総合訓練を実施しました - 京成電鉄の2019年12月19日付プレスリリース
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