2023.07.09
北総7800形7808編成の20年間を振り返る。
2003年2月に京成3700形のリース車両として登場した北総7800形は、今年で運行開始から20周年を迎えた。当初7800形は7808編成だけという状況が長らく続いたが、2015年3月に7260形の代替として7818編成が、2018年2月に予備車増強のための純増分として7828編成がそれぞれ登場。2020年6月に発生した脱線事故の影響で車両の入れ替わりがありながら現在は3編成が在籍している。北総オリジナルの7300形とは似て非なる車両として、今日も北総線を走っている。
当時の京成と北総にとって3700形のリースは画期的なことであった。それまでは経年の3150形を廃車まで使い倒す格好で小刻みなリースの繰り返しだったのに対し、3700形の長期的なリースは車両の質という点でも大きな改善になった。かくして3808編成が7808編成となったわけだが、京成としても車齢わずか5年ほどの編成を差し出したわけだから、なかなかの決断だったことと思う。
それから20年、7808編成はすでに京成時代の4倍近くの時間を北総で過ごしていることになる。7808編成については、この20年の間に車両の見た目が少しずつ変わっていったことが特筆される。7800形の20周年を記念して、7808編成の見た目の変遷をたどってみよう。
リース当初の姿
7808編成リース当初の姿である。「HOK'SO」ロゴがまだなく、今となっては方向幕が懐かしい。この当時の7300形にはスカートがなかったので、スカートの有無は7300形と7800形の大きな違いであった。なお、7808編成には急行灯の周囲が白いという特徴があるが、これは3808編成製造時からの特徴をそのまま引き継いだものである。
「HOK'SO」ロゴなどを追加
7808編成の見た目の最初の変化となったのは、「HOK'SO」ロゴの追加であった。「HOK'SO」ロゴは2006年2月に登場した7500形に合わせて制作されたもので、7500形のデビュー以降に7300形と7800形にも追加で貼り付けが行われた。先頭車の側面で見られる飛行機の装飾追加もこの時。
行先表示器のLED化
2010年5月、行先・種別表示器がLED化された。3700形や7300形の中には3色タイプのLED表示器を経てフルカラーとなった車両もあるが、7808編成の場合は後発だったこともあり最初からフルカラーLEDである。
一方、運行番号表示器は従来のマグサイン式のままとされた。フルカラーLEDの行先表示器+マグサイン式の運行番号表示器の組み合わせは、3700形や7300形を含めても7808編成が唯一の事例になっている。
運行番号表示器のLED化
2011年10月、行先表示器に遅れて運行番号表示器もLED化された。結果的に7808編成は今のところこの形態が最長となっている。上の写真は2019年8月のデジタルSR無線準備工事施工後に撮影したもので、IRアンテナの間にSRアンテナ用の台座が見える。
ヘッドライトのLED化
2021年1月に車体改修工事とデジタルSR無線の本設工事を実施した後、2021年3月には前照灯がLEDとなった。7500形でも使用している森尾電機の16粒タイプである。前照灯のLED化は京成が今のところ3000形以降の車両を対象にしているのに対し、北総では全編成を対象に実施。この結果、3700形には見られない形態が7800形で実現することとなった。
それにしてもLED前照灯で車両の表情がより引き締まってこれがなかなかかっこいいので、ぜひとも3700形もLED前照灯にしてほしい。
パンタグラフをシングルアームに換装
2023年5月に施工された重要部検査に合わせてパンタグラフが下枠交差式からシングルアームに換装された。冒頭に掲載した写真がその姿であり、今のところの最新の状態と言える。これにより北総車は全編成がシングルアームパンタグラフとなったほか、3700形としても下枠交差式パンタグラフの編成が消滅した。京成グループ全体でも下枠交差式パンタグラフを使用するのは3600形の2編成を残すのみとなっている。
◆ ◆ ◆
以上、7808編成の20年間を簡単に振り返ってみた。ここまで表情の変化に富んだ車両はなかなかないのではないだろうか。もちろん、車内の仕様変更や機器の換装などを合わせればもっと細かい変化があるわけで、車両の研究をするには実に追っかけ甲斐のある編成と言えよう。今後、7808編成にさらなる動きはあるだろうか。
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