2015.02.28
さようなら、京成3300形。
2月28日、京成3300形のさよなら運転が上野〜成田間で実施された。さよなら運転は臨時特急「成田山号」のリバイバル運転として運行。使用された編成はもちろん、1月17日の試運転をパスした3344編成+3304編成の8両編成である。3300形としては久方ぶりの特急(臨時特急「さようならリバイバルカラー赤電」以来約2年ぶり)、かつ8両編成(2007年春の3320編成以来約8年ぶり)での営業運転となった。
「成田山号」とは、京成線〜都営浅草線〜京浜急行線の3直黎明期1970年代に正月や春秋の観光シーズンに三浦海岸→成田間で運転された臨時の特急列車(ちなみに成田→三浦海岸は「城ヶ島マリンパーク号」として運転)。当然、当時の直通運転の主力であった3300形もたびたびこの列車に充当されており、そしてまた京成線としての原点となる成田山へ向けた行楽列車ということで、3300形の最終列車としてはまさにピッタリの列車という感じであった。とは言え、趣味者の悪いクセで「成田山号」のリバイバル運転なら8両より6両編成の方がちょうどいいのかも、とか、「成田山号」なら京急からの直通運転だろう、などということをちょっと思ってしまったりもしたが、ここまできたらもう細かいことは気にするべからず! 空気バネ台車の編成と金属バネ台車の編成を混結させてまで実現した3300形の8両編成に物申すとは無礼千万、控えよ!! ということで、あとは3300形の盛大なる最後の花道を目と心(と写真)に焼き付けるだけである。
臨時特急「成田山号」リバイバル運転の運転に際しては、編成の前後にヘッドマークが掲出された。本運転の先頭側となる成田方には、かつての「成田山号」のヘッドマークを模したステッカーが、上野方の先頭車には「さよなら3300形」と書かれたものがそれぞれ掲出された。これらは上野においてベールを脱いでおり、送り込みとなる宗吾参道→上野の回送列車ではヘッドマークを隠しての運転となった(本音を言えば、送り込みの時に先頭車となる上野方のものは隠さなくてもよかったように思う)。また、当日の3300形の行路は臨時のS11という運用番号であったようだが、上野→成田における臨時特急「成田山号」リバイバル運転においては、かつての「成田山号」で使用されていた「S1K」の運番が再現されたことも特筆されよう。さらに、上野方の先頭車となったモハ3344の向かって右側のヘッドライトには一粒の大きな涙が! これには3300形よ、ついに花粉症になったか! などとイジられつつも、これは明らかに長年走り続けた京成線とのお別れの涙であろう(と信じたい)。これにやられた諸兄姉も少なくあるまい、なんとも憎い演出であった。
編成は、前述の通り3344編成+3304編成の8両編成で、3300形のトップナンバーであるモハ3301が臨時特急「成田山号」リバイバル運転にて先頭となるよう組成されている。3300形は、不慮の事故による廃車と中間車の廃車を除いて概ね検査までの期限が切れるタイミングによって廃車になっており、北総7260形となっている3308編成と3316編成を含めてよくぞ初期車がここまで残ってくれたと思うわけである。他の鉄道事業者においても、その形式のトップナンバーがさよなら運転の先頭を切って走るなんてのはなかなかないことなのだろうと思われる。3304編成の営業運転期間はまさしくヘッドマークの記載の通り1968年11月から2015年2月であると思われ、約46年の活躍。今後、京成においてこれほど長い期間走り続ける車両は出てくるだろうか。何はともあれ長い間おつかれさまである。
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