2016.12.28
リスボンの公共交通あれこれ、地下鉄に続いては市バスを取り上げよう。

Carris 2234号車
2016.2.9/Belém
リスボンの市バスはCarrisという公営企業体によって運営されている。車体は同じくCarrisによって運営されている路面電車と同じ黄色いカラーリングで、市内の至るところで見かけることができる。路線は市内を網羅しており、2016年2月現在で約80もの路線があるそう。歴史のあるリスボン市内には狭隘な道路がところどころに存在するが、そんな場所にも小型車両を用いて路線を走らせており、かゆいところに手の届く頼もしい存在。リスボンのだいたいの観光地は地下鉄と路面電車で行くことができるが、バスを使うことでショートカットできたりするので、やはり使いこなせば便利な存在である。
運賃は均一料金で、1回の乗車で1.80ユーロである。IC乗車券だと1.40ユーロになる。バスの車体に掲示がある通り前乗り中降りで、運賃は乗車時に支払う。乗り方は東京23区内のバスとほぼほぼ同じ。

リスボン市バスのバス停
2016.2.9/Belém

Carris 2457号車
2016.2.9/Belém

Carris 1760号車
2016.2.13/Gare do Oriente
さて、リスボン市バスを観察していると、前面の窓に赤や青などの色の付いた円盤を掲出していることに気づく。気になって調べてみると、リスボン市バスではエリアごとに独自のエリアカラーを定めており、市内中心部からその方面へ向かうバスにエリアカラーを掲出させているとのことである。つまり、バスの前面に掲出されている円盤の色を見れば、そのバスが概ねどの方面に向かうかということが分かるようになっているということ。なかなか面白い試みである。そういや、これと同じような取り組みをどこかで見たな、、、と思ったら西鉄バスである。西鉄バスでも、福岡地区と北九州地区において方面別に色を設定し、行先LEDの脇に表示させている。まさかこんな日本から遠く離れたヨーロッパの地で、西鉄バスと同じことをしているバス事業者があったとは。バスの路線をわかりやすく案内するにはどうしたらいいかというのは万国共通の悩みのようだ。最近ではフルカラーLEDの導入で系統番号そのものをエリアカラーで表示させているようで、よりスマートなやり方に進化している。
車両はMAN、Mercedes Benz、Volvo製のものを確認できたが、他にもあるかもしれない。ボディは純正のものも走るが、ポルトガル国内のボディビルダーで製造された車両も多数走る。MANのLion's cityという車両があるが、これと全く見た目は同じながらCaetanoというメーカーのCity Goldというブランドの車両だったりするのが謎。このほか、Marcopoloというブラジルのメーカーの車両が走るのも特徴のひとつであろう。ブラジルと同じくポルトガル語圏のポルトガルならではと言えそう。
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