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エトセトラ

2021.10.31

北総7800形7818編成、6両編成で宗吾車両基地へ。

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北総7800形 旧7818編成
2021.10.31/宗吾車両基地

▲青砥駅での脱線事故から1年5ヶ月、6両編成となって宗吾車両基地に回送された北総7800形7818編成
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北総7800形 旧7811号車
2021.10.31/宗吾車両基地

▲7811号車のアップ。車両番号などの表記類はまだ北総仕様となっているものの、既に北総カラーの帯は剥がされており、「京成の6両編成」として復帰するものとみられる

10月30日の終電後、北総7800形7818編成が6両編成で印旛車両基地から宗吾車両基地に回送された。2020年6月12日に発生した青砥駅構内での脱線事故の当該である同編成は、事故後に高砂検車区に収容された後、同年8月22日の終電後に印旛車両基地に回送されていた。その後、休車となり復帰に向けた改造等(後述)が行われていたようだが、このたび1年3ヶ月ぶりに動いた。

なお、7818編成は既に北総から除籍されて純然たる京成車になっている模様である1)。車体に掲げられた車両番号や「北総鉄道」プレートはそのままとなっているものの、宗吾参道への回送列車が99K運行2)として成田スカイアクセス線経由で運転されたことや、写真のとおり北総カラーの帯が剥がされていることは、同編成が京成に返却済みである証左であろう。

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北総7800形 旧7815号車
2021.10.31/宗吾車両基地

▲6両編成化に伴い連結位置が成田方2両目に変更された7815号車。上野方にシングルアーム式パンタグラフを新設するなどの「2号車化」が行われている。成田方のパンタグラフは今のところオリジナルの下枠交差式のままのため、1つの車両に2種類のパンタグラフが載っている状態

前述のとおり、7818編成は回送に先立って6両編成になった。6両編成化は以下のように行われている。

▽改造前

7818-7817-7816-7815-7814-7813-7812-7811

▽改造後

7818-7817-7816-7813-7815-7811
-7814- -7812-

6両編成化は7814号車と脱線当該の7812号車を外すことで行われた。この際、成田方先頭車の7811号車と電動車ユニットを組む車両がいなくなってしまうため、7814号車とユニットを組んでいた7815号車の連結位置を成田方2両目に変更。7815号車と7811号車で新たなユニットが組まれている。

編成内で連結位置が変更された7815号車はそのための改造が実施されている。もとは5号車だった7815号車は1パンタ車のため、上野方にパンタグラフを増設するなどして「2号車化」。これにより、7818編成は6両編成として3828編成・3838編成に準じた組成になった。7818編成はこれらの改造を印旛車両基地で施工した上で回送された。

宗吾車両基地に到着した7818編成はこのまま重要部検査のため入場するものとみられ、あわせて京成カラー帯や各種表記類の整備、下枠交差式パンタグラフのシングルアーム式への交換など、復帰に向けたさらなる工事が行われるものと思われる。

編成から外された7814号車と7812号車は、印旛車両基地で特に手を加えられるわけでもなく北総カラーのまま放置されていることから、廃車になるものと思われる(あるいは既に廃車になった可能性がある)。3700形に廃車が発生するのは初めてのこと。台車が大きく破損して脱線した7812号車は仕方ないにしても、巻き添えを食らった格好の7814号車は無念なことだろう。

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北総7800形 7818編成
2016.12.1/京成臼井〜京成佐倉

▲在りし日の7818編成。2016年12月に全検出場した際の姿だが、この試運転の5年後に編成そのものが見られなくなるとは・・・

脱線事故から1年5ヶ月が経ち、編成中2両が廃車、6両が京成に返却という結末を迎えようとしている7818編成。同編成の処遇は長期的な車両計画の中で不測の事態であることは疑いようがなく、今後の車両の動きにどういった影響が生じてくるのか気になるところだ。

  • 1)したがって、本来は記事内における表記も京成3700形37xx編成などとすべきだが、返却後の車両番号が明らかになっていないため、便宜的に北総7800形7818編成と記している。
  • 2)表示器がまだ北総仕様だったため、運行番号は「99KN」と表示。

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