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エトセトラ

2011.12.30

静岡鉄道では、12月10日より土休日において臨時急行「セノバ号」の運転を行なっている。臨時急行運転日においては車両運用や乗務員の行路が通常の土休日ダイヤとは大きく異なることから、土休日セノバダイヤなる通常の土休日ダイヤとは別のダイヤが使用されている模様。今回はこの土休日セノバダイヤを概観してみよう。

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静岡鉄道1000系 1003編成
2011.12.23/新静岡〜日吉町

▲「セノバ号」として運転される臨時急行
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静岡鉄道1000系 1010編成
2011.12.23/春日町〜柚木

▲急行板とセノバ板の静鉄流2枚看板

まずは臨時急行「セノバ号」について見てみよう。臨時急行の停車駅は、新静岡と日吉町(新静岡行のみ)、および古庄から新清水までの各駅で、平日に運転される急行・通勤急行同様、新清水方の利用者に対して新静岡への利便を図る列車となっている。新静岡行のみ日吉町停車となっているが、これは臨時急行の緩急選別が新静岡から県総合運動場まで急行扱い、県総合運動場から新清水まで普通扱いとなっており、通勤急行が停まる日吉町に臨時急行も停車せざるを得ないためと推察される。新静岡行は県総合運動場で先行の普通と接続、新清水行は長沼で普通を追い抜くダイヤとなっており、特に長沼における普通列車の急行待避は通常のダイヤにはない設定である。なお、静鉄では平日朝の急行・通勤急行では急行を表す赤い「急」の副標識を前面に掲出しているが、臨時急行の運転においては白地に緑字の「急」の副標識が掲出されている。方向幕は20番に収録されている「臨時急行 新静岡-新清水」という臨時急行専用のものが使用されている。

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静岡鉄道 臨時急行「セノバ号」の副標識
2011.12.23/**

▲臨時急行「セノバ号」の副標識(&「新静岡セノバ」ヘッドマーク)

臨時急行は新静岡行が6本、新清水行が6本の合わせて6往復の運転となっているが、新静岡行が午前中から午後にかけて、新清水行が昼から夕方にかけての運転となっているのが特徴で、「セノバ号」の名の通り新静岡セノバへの買い物客の利便を図る列車となっている。このため、新静岡行の臨時急行が運転されている時間帯には新清水行の回送が、逆に新清水行の臨時急行が運転されている時間帯には新静岡行の回送がそれぞれ設定されており、臨時急行の送り込みと入庫回送(いずれも長沼発着)を含めると、上下5本ずつの回送列車が臨時急行とともに運転されるのが土休日セノバダイヤの大きな特徴になっている。

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静岡鉄道1000系 1011編成
2011.12.23/県立美術館前〜草薙

▲臨時急行とともに多数運転された全線通しの回送列車

車両運用としては、通常の土休日ダイヤの日中時間帯における8本に加えて臨時急行増発分1本の計9本が使用される。増発となる1本分は単純に臨時急行(および付帯の回送)に従事する運用かと思いきや、新静岡においても新清水においても臨時急行は定期の普通列車となって折返す(逆もまた然り)ようになっており、新清水・新静岡における折返しのパターンが通常の土休日ダイヤとは若干異なっている。具体的には・・・

  • 【9〜11時台:新静岡】18分に新静岡に到着した臨時急行は折返し26分発の普通新清水行になる。県総合運動場で臨時急行に抜かされた後続の普通新静岡行は新静岡で折返し新清水行の回送になる。この回送列車は26分発の普通の続行で発車する。
  • 【8〜11時台:新清水】新静岡(8時台のみ長沼)からの回送が折返し58分発の普通新静岡行になる。この普通は後続の臨時急行に県総合運動場で追い抜きされる。回送の続行で54分に新清水に到着した普通が折返し00分発の臨時急行新静岡行になる。
  • 【12〜14時台:新静岡】18分に新静岡に到着した臨時急行は折返し25分発の普通新清水行になる。この普通は長沼で後続の臨時急行を待避する。県総合運動場で臨時急行に追い抜きされた新静岡行の普通が、新静岡で折返し毎時30分発の臨時急行になる。
  • 【12〜14時台:新清水】47分に新清水に到着した臨時急行は折返し51分発の普通新静岡行になる。長沼で臨時急行を待避し、51分に新清水に到着した普通が折返し57分発の普通新静岡行になる。この普通は後続の臨時急行に県総合運動場で追い抜きされる。その1本後の普通(54分着)が折返し00分発の臨時急行新静岡行になる。
  • 【15〜18時台:新清水】47分に新清水に到着した臨時急行は折返し51分発の普通新静岡行になる。長沼で臨時急行を待避し、51分に新清水に到着した普通が折返し57分発の普通新静岡行になる。その1本後の普通(54分着)は折返し回送となり、57分発普通の続行で新静岡まで走る(18時台のみ長沼まで)。
  • 【15〜17時台:新静岡】新清水からの回送が折返し30分発の臨時急行新清水行になる。

なお、臨時急行には4000番台、臨時回送には9100番台の列番が与えられている。

臨時急行の運転においては、車内の自動放送も臨時急行運転用のものが用意されており、さらに県総合運動場あるいは長沼で臨時急行に追い抜きされる普通についてもその旨のアナウンスを含んだ自動放送を使用していることから、「セノバ号」の運転は10月のダイヤ改正と同時に計画されていたものと思われる。最後に、臨時急行における走行音を掲載する。

静岡鉄道1000系クモハ1002 桜橋→狐ヶ崎

臨時急行の案内を含む自動放送が28秒頃から流れる。狐ヶ崎到着時にミュージックホーンの吹奏があるが、それは2分00秒頃である。なお、ミュージックホーンの取扱いは、新静岡行が音羽町まで、新清水行が古庄までの各駅となっていた。

臨時急行「セノバ号」、今回はひとまず1月9日までの土休日の運転となっているが、今後もGWや夏休みなどの期間に設定されるのではないかと思われる。

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