KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2024.03.23

京成3700形に機器更新車が登場。

D70066.jpg

京成3700形 3788編成
2024.3.23/ユーカリが丘〜京成臼井

▲3700形で初めて機器更新が実施された3788編成。合わせてヘッドライトがLEDのものに交換され、表情も少し変わった(※LED前照灯については本記事公開時点で3700形全編成で交換済み)

デビューから今年で33年を迎える京成3700形。ここ最近は、車体改修工事の実施や脱線事故とそれに伴う廃車、北総鉄道へのリース・返却など何かと話題に事欠かない車両だが、ここにきて大きな動きが生じている。12月より宗吾車両基地に入場していた3788編成がVVVFインバーター装置などの機器更新を実施して出場、3月上旬より営業運転に入っている。

今回3788編成に新たに搭載されたVVVFインバーター装置は、3100形のそれと同じような形状をしている。このことから3100形と同等あるいはそれに準じた、東洋電機製の半導体素子にSiC(炭化ケイ素)を適用したVVVFインバーターを採用したものとみられる。こうした機器更新は他の鉄道事業者では多くの事例が見られるが、京成ではこれまでいっさい行われておらず、今回が初めてのこと1)となる。機器更新は3788編成自身の延命になるだけでなく、消費電力の削減による環境負荷の低減にも寄与しよう。

走行音

VVVFインバーター装置が変わったということで、走行音にも変化が生じている。一方で主電動機は従来のものがそのまま使用されている模様で、走行音は3700形と3100形を混ぜたような感じ。高速域は3700形なのに、減速していくにつれて3100形っぽくなっていくのだからわけがわからないのである。以下に走行音を掲載したので、ぜひ聴いてみてほしい。

京成3700形3787 勝田台→京成大和田

京成3700形3787 京成大和田→八千代台

他の編成への波及は?

気になるのは、やはりこの改造が他の編成にも及ぶかどうかであろう。先に挙げた車体改修工事がトップナンバーからきっちりと番号順に施工されたのに対し、今回の機器更新は第1号が3788編成となっている点もひっかかるところだ。もしかしたら3788編成がいわくつきの編成だから、という可能性もある。

仮に更新の対象が2次車以降ということであれば、その場合は新京成8800形のように更新しない編成を早い段階で廃車とし、更新して延命した車両をその後に廃車していくという流れが予想される。3400形と3500形、3600形が廃車となっていなくなればその次は3700形の番だろうから、既にそれを見据えた動きが始まっているのかもしれない。

  • 1)ただし、3000形3003編成が一時的にSiC-VVVFに交換されたことがあるほか、制御装置の換装という点では3200形3294編成のVVVFインバーター化改造といった事例がある。また、3600形3668編成は電動車化に伴いVVVFインバーター装置が新たに搭載された。

関連記事

京成3000形・3700形 京急車の代走で三崎口に入線

京成3000形と3700形が三崎口に現る。2月10〜12日、京急車で運転される53H運行において、行路の一部を京成車が代走した。代走は1152Hレ特急三崎口行より開始され、1353Hレ特急青砥行...

京成3000形・3700形 京急車の代走で三崎口に入線
京成電鉄 3100形は7編成で製造終了か

京成3100形は3157編成で製造終了? 6月30日、京成電鉄はバリアフリー法に基づく2023年度の移動等円滑化取組計画書を公表した。その中で、車両について今後の導入計画が明らかになっている...

京成電鉄 3100形は7編成で製造終了か
京成グループ 車両の動き(2022年度)

京成グループにおける2022年度の車両の動きをまとめてみよう。2022年度の京成電鉄は、車両の導入を行わず廃車のみが発生するという特異な年度になった。廃車となったのは、3400形3418編成...

京成グループ 車両の動き(2022年度)
京成3700形 新3788編成が登場

京成3700形3788編成が新しくなって復活。3月2日、2022年11月17日に京成高砂駅構内で発生した脱線事故の当該となり長期の運用離脱を余儀なくされていた3700形3788編成が運用に復帰...

京成3700形 新3788編成が登場
京成3700形3748編成 6両編成で営業運転復帰

京成3700形3748編成が6年9ヶ月ぶりに復帰。12月上旬より京成3700形3748編成が6両編成として営業運転に復帰している。同編成はもと北総7800形7818編成で、昨年6月に発生した青砥...

京成3700形3748編成 6両編成で営業運転復帰

最新記事

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)

今年も春がやってきた。4月21日、北総鉄道が主催する「ほくそう春まつり」の開催に合わせて臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。昨年、京成本線の八千代台始発として5年ぶりに運転された当列車...

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)
千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版

当Webサイトでは、2023年3月の「千葉シーサイドバス路線図 2023年3月1日版」と題する記事にて千葉シーサイドバスの路線図を公開していたところであるが、約1年ぶりに改訂版を発行する。千葉...

千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版
京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在